ビザ(査証)と在留資格との違い

1 それぞれの意味と注意点
ビザ(査証)は、入国許可(上陸許可)を受ける際に必要なものです。
在留資格は、外国人が、日本に滞在するために必要な資格です。
ここで、注意すべきなのが、日常用語で、「ビザ」が後者の在留資格の意味で頻繁に使われているということです。
そのため、「ビザ」と言われた際に、本来のビザの意味である「査証」を意味しているのか、それとも、「在留資格」を意味しているのかは人によって異なります。
弁護士でも在留資格のことを「ビザ」という人は少なくありません。
この認識がずれていると会話が嚙み合わず、間違った手続き等をしてしまう恐れがありますので、注意が必要です。

2 本来の意味の「ビザ」(査証)とは
冒頭で記載したとおり、本来の意味のビザ(査証)は、日本に入国する際に必要となるもので、事前に、自国の日本大使館または領事館で発給を受けます。
英語では「VISA」と表記されます。

3 在留資格とは
こちらも冒頭で記載したとおり、在留資格は、外国人が日本に滞在するために必要な資格で、入国(厳密には上陸)の際に、法務省(出入国在留管理庁)から付与されます。
英語では「Status of Residence」と表記されます。
在留資格は、在留の目的に応じて多くの種類があり、例えば、日本で働くための在留資格であれば、「技術・人文知識・国際業務」「特定技能」「経営・管理」などがあります。
なお、よく「就労ビザ」などの言葉を聞くことがありますが、これは、厳密には、本来の意味のビザ(査証)ではなく、就労可能な「在留資格」を意味しているものと考えられます。