先週,平成26年度司法試験の合格発表がありました。合格された方,おめでとうございます。
今年の合格者数は,去年より239人減り,1810人でした。
よく合格者数関する報道がされているのを見かけますが,他にも考えるべき問題があります。
まず,前提として,法科大学院には,法学部出身者など法律を勉強したことがある人が通う2年コース(既修コース)と主として法律を勉強したことが無い人が通う3年コース(未修コース)があります。
この既修コースと未修コースの合格率には大きな差があり,これが従来から問題となっています。
東京大学法科大学院では,この差が特に大きく,今年は既習コースの合格率75.7%に対し,未修コースの合格率は17%でした。
そして,実は,未修コースには,法学部出身だけど3年間勉強したいということで未修コースに通った人も含まれており,法科大学院入学時点での純粋な未修者の合格率は更に低いと言われています。
様々なバックグラウンドを持った人材を法曹界に呼び込むというのが未修コースの趣旨ですが,このような状況では多様な人材がなかなか集まりません。
法曹養成において法学部,法科大学院,司法試験,司法修習が果たすべき役割及びそれぞれの関連性について今一度考えてみる必要があるのではないでしょうか。