内々定の法律上の意味

就職活動をしていると「内々定」という言葉を耳にすることがあるかと思います。

また,企業側で採用活動に関わる方であれば,「内々定」を出すことがあるかもしれません。

ただ,この「内々定」の法律的な意味を適切に理解されている方は少ないように思います。

通常,内定は,一応労働契約(解約権留保付労働契約)が成立しているのに対して,内々定は,労働契約が成立していないと考えられえます。

そのため,内定であれば,特別な事情がなければ企業側が取り消すことができませんが,内々定であれば,原則として企業側が取り消すことができます。

ただ,内々定の実態は,企業によって様々で,具体的な事情によっては,内定と同様に取り扱われることもあると考えられます。

つまり,「内定」と「内々定」のどちらの表現を使っているかという形式面だけでなく,例えば,他の企業への就職活動が禁止されていたのかなど実質面も見られるということです。

また,内々定が内定と同視できるとまでは言えないとしても,内々定を取り消しに至るまでの経緯によっては,内々定を取り消した企業が損害賠償責任を負うこともあります。

例えば,経営が悪化しており内々定が取り消さなければならない可能性があるにもかかわらず,内々定者にはそのことを一切告げず,むしろ他の企業への就職活動を禁止し,正式な内定通知日直前になって内々定を突然取り消すといったような場合には,企業側に損害賠償責任が発生する可能性が高いものと考えられます。

このあたりは具体的な事情によって判断が異なってくるところですので,実際にお悩みの方は,弁護士等の専門家にご相談されることをお勧めします。

弁護士法人心の小テスト(採用選考)

弁護士法人心の採用選考では,採用面接の他に,小テストを実施しています。

採用パンフレット等に選考ステップを掲載しているため,事前に「小テストの内容はどのようなものですか?」「小テストのために何か準備できることはありますか?」などのご質問を時々いただくことがあります。

真面目に準備をしようとされているのはとてもわかるのですが,試験の公平性を図るため,小テストの内容等についてはお伝えできません。

小テストのために何か特別な準備をしていただくことは想定していませんので,採用選考にご応募いただく方は,ぜひ本番で頑張っていただければと思います。

弁護士法人心では,事務所のことをより知っていただくという目的で,求人・採用サイトをご用意しています。

求人・採用サイトでは,「募集要項」や「応募方法」などの一般的な求人・採用サイトでよくある情報の他に,「先輩インタビュー」などのコンテンツも設けております。

弁護士法人心のことや,弁護士法人心で働く弁護士やスタッフのことについて,より知っていただけるかと思いますので,弁護士法人心にご興味を持っていただいた方は,ぜひこちらをご覧ください。

 

弁護士法人心の求人・採用サイト「先輩インタビュー」のページはこちら

新卒採用の合同説明会

弁護士法人心は,新卒の採用活動をしています。

名古屋では,3月3日,4日に,ポートメッセなごやでのマイナビの合同説明会に出展していました。

3月7日,8日には,同じくポートメッセなごやでリクナビの合同説明会があり,こちらにも出展予定です。

その他,事務所での採用説明会も開催しています。詳細はこちら

就職活動中の方で,弁護士法人心に興味を持っていただける方は,ぜひお越しください。

履歴書の間違いトップ5

採用関係の仕事をしていると履歴書を見る機会が多くあるのですが,間違った記載が結構多くあります。

以下,私がよく見かける間違いトップ5です。

1位・・・「和暦」とあるのに西暦で書いてしまう

2位・・・職歴に「アルバイトを含む」とあるのにアルバイトを書き忘れる

3位・・・入学・卒業の年を間違える

4位・・・大学の学部が書かれていない

5位・・・年齢が違っている

年齢の間違いは,満年齢と数え年の混同によるものかと思います。

ちょっとした間違いかもしれませんが,どうしても印象が良くありません(特に弁護士の場合には,ちょっとしたミスが大問題になることもありますので,間違いは厳しく見られることが多いと思います)。

せっかく書いたPRが,間違いのせいで台無しにならないよう,就職活動中の方はお気を付けください。

早まる弁護士の就職活動

弁護士の資格を取ってもすぐに独立開業する人は少数で,多くの人はどこかの法律事務所や企業に所属します。

そのために,弁護士も就職活動をするのですが,年々その就職活動時期が早まってきています。

以前は,司法試験の合格発表後に就職活動を始める人が多かったのですが,最近は,司法試験の受験後,合格発表までの間に就職活動を行う人も増えてきています。

そのため,せっかく内定を得たのに(採用する側からすると内定を出したのに)司法試験に落ちてしまったという話もよく聞きます。

司法試験受験生からすると,試験を受けてから合格発表までの期間に,司法試験の勉強を継続するのか,就職活動を行うのか,両方行うのかは,悩ましい問題かと思います。

司法試験の受験を終えられた方へ

今年も司法試験が終わり,早い司法試験受験生の方は,事務所探しを始めていることかと思います。

法律事務所によって,扱える事件の種類や,働き方が大きく異なります。

自分が将来どうなりたいのかをしっかりと考えつつ,将来像に合った事務所を探すことがとても大切です。

弁護士法人心では,70期の司法修習生予定者(今年の司法試験を受けた方)および69期司法修習生を対象に,キャリアセミナーを実施します。

キャリアセミナーでは,今後の弁護士業界の動向や,勤務する事務所の選び方,専門性をどのように身に着けていくか等,これから法律家になられる方々にとって役立つ情報を提供いたします。

詳しくは,こちらに掲載していますので,興味のある方はご参加ください。

法律事務所の採用活動

今年も新卒の就職活動の時期が到来し,様々な企業の採用説明会等に参加している学生の方も多いかと思います。

法律事務所の採用活動というと弁護士の採用を思い浮かべる方もおられるかもしれませんが,弁護士以外のスタッフの採用も行います。

弁護士法人心では,法律事務職であるパラリーガルの他,企画・総務,広報,経理・会計,労務管理など様々な職種を募集しています。

ご興味のある方は,こちら(弁護士法人 心  新卒採用サイト)をご覧ください。

リクナビ合同説明会!

本日,弁護士法人心は,リクナビの合同説明会に参加していました。

1回20分説明会を合計14回行いましたが,席が埋まり,立ち見をしていただく方もでるなど,たくさんの方に来ていただきました。

3月2日,3日は,ポートメッセ名古屋で開催される合同説明会「リクナビ SUPER LIVE 名古屋」に参加します。

会社の説明だけでなく,今後の就活などでも役に立つ「コミュニケーションで一番大切なこと」もお話ししますので,名古屋で就活をしている方は,ぜひお越しください!
弁護士法人心採用説明会

産休・育休は「本当に使える」かどうか?

就活生の方から「産休・育休制度はあるのでしょうか?」という質問が出ることがよくあります。

この点について,まず法律上どうなっているかをみてみますと,産休については,労働基準法で出産予定日の6週間以内と産後8週間以内の女性を就業させてはいけないとされています(労働基準法65条1項2項)。

また,育休についても,育児介護法で,1歳に満たない子を養育している場合には育児休業をすることができるとされています(育児介護法5条)。

ですので,冒頭の質問に対して,「産休・育休制度はありません」などと答える会社はほどんどありません。

問題は,産休・育休制度があるかどうかではなく,実際に取得できるかどうかです。

「周りで産休取っている人がいないので取りづらい」「産休を取ろうとしたら退職を勧められた」「育休なんか取ったら出世できなくなると言われた」などといったことは今でも少なくありません。

就活生の方が注目すべきなのは,産休・育休の「取得率」です。

ちなみに,弁護士法人心では,妊娠した女性社員全員が産休・育休を取得しており,妊娠を機にやめた方はいません。

弁護士の就職活動の方法③(勤務条件)

勤務先を選ぶ際にほとんどの方は,給与の額を気にするかと思いますが,弁護士の場合,単純に給与の額だけで比較することはできません。

まず,新人弁護士にとって軽くない負担となるのが弁護士会費ですが,これが事務所負担なのか個人負担なのかによって,年間何十万円と負担額が変わってきます。

事務所によっては,給与●●万円(弁護士会費分を含む)などとしているところもあります。

また,国選事件等の報酬の取扱いも重要です。全額個人の報酬となる事務所もあれば,全額事務所に入れることになっている事務所,一部だけ経費として事務所に入れる事務所など,国選報酬に関する取扱いは事務所によって様々です。

さらに,健康保険,厚生年金保険といった社会保険に加入できるかも重要なポイントです。

その他にも細かな補助等がある場合もあります(例えば,弁護士法人心では,交際費の一部を事務所が負担する制度があります)。

新卒の方の場合,どうしても給与の額に目が行きがちですが,上記のように,給与の額以外にも確認しておくべきポイントがあります。

近年は,募集要項等で上記事項を公開している法律事務所も多くありますので,事前にしっかりと確認しておくことが大切です。

弁護士の就職活動の方法②(履歴書の書き方)

民間企業の就職活動と同じく,法律事務所への就職活動でも履歴書は重要です。

法律事務所に出す履歴書といっても重要な点は,通常の履歴書と同じです。

証明写真を貼り忘れる,ふりがなを書き忘れる,学校の入学・卒業の年を間違える,職歴欄に「アルバイトを含む」とあるのにアルバイトを書き忘れるなどのミスが意外とあります。

ちょっとしたミスなのですが,どうしても第一印象が悪くなってしまいがちですので,しっかりと見直すことが重要です。

学歴欄は,大学以降を書く方がいますが,少なくとも高校は書いた方がよいと思います。どこの高校出身かは一つの指標となりうるからです。

また,法科大学院については未修か既修かを書いた方がよいかと思います。入学と卒業の時期だけでは,未修なのか,既修で留年しているのかがわかりません。

法律事務所に出す履歴書でよくあるものとして,「興味のある法律分野」という項目があります。

正直に書くのはよいのですが,志望した事務所で扱っていない分野だと「どうしてうちの事務所なのか?」という疑問を持たれかねません。

志望した事務所で扱っていない分野を書く場合には,その分野に興味があるのにどうして当該事務所を志望するのかということがわかるように書くと印象がよいかと思います。

また,よくある疑問として,手書きで書くか,ワープロソフトで書くかという点がありますが,私個人の考えとしては,読みにくくなければどちらでも問題ありません。

以上はほとんど形式面の話ですが,内容をしっかりと読んでもらうためにも,形式面の基本をしっかりと押さえておくことは重要です。

弁護士の就職活動の方法①(事務所の見つけ方)

今回の記事は,弁護士事務所への就職活動を考えている方に向けて書いています。

就職活動を進める上でまず大切なことは,求人を出している事務所を見つけることです。

一昔前は,先輩等に紹介してもらうというのが多かったかと思いますが,現在それ以外にも様々な方法があります。

①弁護士の求人サイトを利用する

弁護士事務所を探す上で,有用なサイトとして,「アットリーガル」と「ジュリナビ」があります。

これらのサイトには,多くの法律事務所が掲載されており,事務所探しにとても役立ちます。

また,日弁連が行っている「ひまわり求人求職ナビ」も多くの求人情報が出ています。

②合同説明会に参加する

各地域の弁護士会が合同説明会を開催しています。

このような合同説明会には,弁護士の採用に意欲的な事務所が多く参加していますので,是非参加すべきです。

弁護士会以外にも,法科大学院や司法試験予備校等が合同説明会を開催することもありますので,情報を収集しておくことが重要です。

③インターネットの検索エンジンで検索する

「弁護士 採用 名古屋」などのキーワードで検索すると求人を出している弁護士事務所が出てくることが多いです。

この方法により,大手求人サイトには掲載されていないような求人情報が手に入ることがあります。

弁護士法人心では,弁護士の求人・採用サイトをご用意していますので,興味のある方はご覧ください。

弁護士の就職活動時期

大卒の就職活動の開始時期をどうするかが話題になっていますが,弁護士の就職活動時期は少し違います。

弁護士になるまでの流れは,①法科大学院を修了(3月),②司法試験受験(5月),③司法試験合格発表(9月),④司法修習開始(12月),⑤司法修習修了(翌12月),⑥弁護士登録(翌12月)となっています。

早い人は司法試験受験直後から就職活動を始めます。

この時期に採用活動をしているのは大手の法律事務所が多いように思います。

この時期だとまだ司法試験の結果が出ていないため,内定を出しても,司法試験に合格しなければ,弁護士として来てもらうことができません。そのため,採用人数の少ない小規模事務所にとってはリスクが大きいため,小規模事務所はこの時期の採用活動には消極的です。

就職活動が本格化するのは,司法試験合格発表後です。

この時期には,多くの事務所が採用活動を開始します。特に都市部ではこの傾向が強いです。

そして,合格発表から3か月弱で司法修習が始まります。

近年の司法修習は,初めに一定期間集まって講義等を受け,その後全国に分散して実務修習を行います。

実務修習が始まると,地方にも司法修習生がやってくるため,地方の法律事務所が採用活動を積極的に行うようになります。

弁護士の場合,たまたま司法修習に行った地域で,働きたい事務所が見つかり,司法修習後もその地域にとどまるということが少なくありません。

このように,どのような規模・地域の事務所に就職を希望するかによって,就職活動時期は異なってきますが,多くの人が司法修習を終えるころには就職先を見つけ,弁護士登録後に弁護士として働き始めることになります。

弁護士法人心でも採用活動を行っています。

弁護士法人心の採用情報について詳しくはこちらをご覧ください。