相手が既婚者だと知らずに交際していたところ、突然、その配偶者が現れて不倫だと言われてしまった場合、慰謝料を支払う義務があるのでしょうか?
不倫慰謝料請求は、民法上の不法行為に基づく損害賠償請求(民法709条)であり、「故意又は過失」がある場合に損害賠償義務が生じます。
つまり、相手が既婚者であることについて、「知らなかったが、知ることはできたはずだ」と言う場合には、過失があるとして損害賠償義務を負う可能性があります。
では、相手から「自分は独身だ」と聞き、それを信じていた場合でも過失ありと判断されてしまうことがあるのでしょうか?
これについては、状況等によっては、過失ありと判断されることがあります。
具体的な状況によりますので、一概にはいえませんが、例えば、
・交際相手が職場の同僚であった
・夜は電話しないでほしいと言われていた
・土日は会えないと言われていた
・家に行くことを拒否されていた
・相手が指輪をしていた
などというのは、相手が既婚者であると知ることができた(つまり過失がある)と判断されやすい要素です。
また、交際し始めた当初は知りえなかったとしても、途中から相手が既婚者であると疑わせるようなことがあった場合には、それ以降も関係を続けると責任が生じる可能性がありますので、注意が必要です。
相手が独身であると思っていたのに実は既婚者で、その配偶者から損害賠償を請求されてしまったという場合には、まずは弁護士に相談されるのがよいかと思います。