弁護士をしていると、国際結婚に関するご相談を受けることもあるのですが、そもそも、近年の結婚の件数はどのくらいなのでしょうか?
婚姻数については、政府が「人口動態調査 人口動態統計 確定数 婚姻」という統計を出しています。
詳しくご覧になりたい方はこちら↓
https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0003411850
この統計によると、日本における婚姻数は、
1970年 1,029,405件
1980年 774,702件
1990年 722,138件
2000年 798,138件
2010年 700,222件
2015年 635,225件
2020年 525,507件
2023年 474,741件
となっています。
1978年に80万件を下回ってからは、比較的安定しており、2010年まではほぼ70万件台を維持しているのですが、その後は減少傾向で、2023年にはついに50万件を下回ってしまいました。
2000年と比較すると、2023年は約59.5%となっており、かなり少なくなっていることがわかります。
では、日本人と外国人との婚姻はどうなっているのでしょうか?
これについても、上記の統計に数字が出ており、夫婦の一方が外国人の婚姻は、
2000年 36,263件
2023年 18,475件
となっており、割合でみると、約50.9%にまで減少しています。
日本人同士の婚姻よりも、日本人と外国人との婚姻の方が減少割合が大きいようです。
更に細かく見ると、興味深いことがわかります。
男性日本人・女性外国人の婚姻は、
2000年 28,326件
2023年 11,779件
となっており、割合でみると約41.5%まで大きく減少しています。
他方、女性日本人・男性外国人の婚姻は、
2000年 7,937件
2023年 6,696件
となっており、割合でみると約84.4%で、それほど減少していません。
つまり、この20年強で、男性側が日本人の国際結婚はかなり減少しているのに対し、女性側が日本人の国際結婚はそれほど減少していないことがわかります。
さらに、外国人の妻の国籍別の割合を見てみると、外国人妻が、韓国・北朝鮮の場合約19.8%、中国人の場合約33.5%、フィリピン人の場合約36.5%、タイ人の場合約37.2%であるのに対し、アメリカ人の場合約153.1%、イギリス人の場合約62.4%、ブラジル人の場合約74.8%となっており、日本人男性とアジア諸国の女性との婚姻が著しく減少しています。
まとめると、この統計により、
・2011年以降、日本の婚姻件数が大きく減少している
・日本人同士の婚姻よりも、一方が外国人の国際結婚の方が減少割合が大きい
・女性側が日本人の場合よりも、男性側が日本人の国際結婚の減少が著しい
・男性側が日本人の国際結婚の中でも、アジア諸国の女性との婚姻が大きく減少している
ということがわかります。