未成年者は、契約を締結すること自体はできるのですが、未成年者保護の観点から、民法上、成年者と異なるルールが設けられています。
未成年者は、契約などの法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならないとされています。
そのため、例えば、未成年者が弁護士に依頼するような場合には、法定代理人の同意が必要です。
そして、未成年者が法定代理人の同意を得ないでした契約については、「取り消すことができる」とされています。
このようなルールは、未成年者は、成年者に比べて、知識や経験、判断能力等が不足しているため、保護しなければならないという発想に基づくものであると考えられます。
未成年者と取引する相手方からすると、契約しても、法定代理人の同意を得ていないものであれば、後で取り消される可能性があるため、同意の有無をしっかりと確認することが大切です。
もっとも、実際の取引で、未成年者が契約をする際に、常に、法定代理人の同意を得なければならないかというと、そうではありません。
例えば、未成年者が、お小遣いで、コンビニなどでお菓子を買う際に(これも売買契約です)、毎回、法定代理人の同意を得ているわけではないと思います。
そうだとすると、未成年者はその売買契約を取り消せるのかというと、お小遣いで、お菓子を買っているような場合には、取り消せないものと考えられます。
これは、民法で、「法定代理人が目的を定めて処分を許した財産は、その目的の範囲内において、未成年者が自由に処分することができる。目的を定めないで処分を許した財産を処分するときも、同様とする。」とされているためです。
このように、未成年者については、原則として、法定代理人の同意が必要としながらも、一定の類型については例外を設けることで、円滑な取引ができるようになっているといえます。