パソコン

弁護士の日常業務は,とにかく言葉と数字であふれかえっています。

依頼者と打ち合わせをし,判例を検索し,裁判所に提出する書類を書き,税金や損害賠償請求額について計算をする。

私が,弁護士になったころにはすでにワード・エクセルを搭載したパソコンが世間に普及していましたから,

難しい計算でもエクセルで一気に片付けることができますし,文書の構成を変えることもワード文書であれば,コピーアンドペーストで瞬時に行えます。

毎日,業務をしながら,手書きの時代は大変だったろうなと思います。おそらく,ワード・エクセルを搭載したパソコンの普及で,弁護士の職場の風景は大きく変わったことでしょう。

ところで最近,人工知能によって人間の仕事が奪われるのではないかという話題が取りざたされており,私たち弁護士の仕事も,人工知能に代わられる可能性のある仕事の一つに挙げられていました。

弁護士と同程度かそれ以上の書類を作成できる人工知能が登場するかどうかは,技術の問題なので私には,分かりません。

そんな時代を想像するとロマンがあります。

もっとも,法制度上の問題として考えると,極めて大幅な法改正が行われない限り,人工知能では代理人として裁判所に出廷したり,依頼者と契約を締結する権利の主体にはなれないでしょうから,私が生きている間は,弁護士の仕事が全くなくなるということはないだろうと思います。

ただし,ワード・エクセルを搭載したパソコンが普及したことで,仕事のやり方が大幅に変わったように,人工知能の技術が普及すれば,弁護士の文献調査や書面作成のやり方などが大幅に変化していくことはあるのかと思います。

技術の日進月歩は,すさまじい速さで,緑色の公衆電話でダイヤルを回しながら電話をかけていた私の子供時代から考えると,スマートフォンで相手の顔を見ながら話ができる現代は,まるでSFの世界です。

そう考えると,人工知能の進歩や普及が,あと10年~20年ぐらいで大幅に進んでも不思議ではないように思います。

また,新しく学ばねばならないことがでてくるというのは,面白くもあり,大変でもあります。