はやいもので,平成30年も残すところわずかとなりました。
弁護士法人心の今年の最終営業日は,平成30年12月28日となります。
12月といえば,忘年会やクリスマスなどイベントごとの多い季節です。
寒さで冷えた体を温めるため,お酒などを飲む機会も普段より多くなるのではないかと思います。
地域や年度によっても異なるのかもしれませんが,先日,私がみた警察の統計では,
やはり12月が一番飲酒運転による交通事故が多くなっていました。
また,年末年始の時期ですと,お正月にお屠蘇としてアルコール飲料を摂取する機会も多くあります。
親戚の家に自動車で年賀の挨拶にいき,少量のお屠蘇を飲んで,そのまま自動車で帰宅という場合でも,
呼気の中から,酒酔い運転と判断されるに足りるアルコールが検出される可能性は十分ございます。
弁護士として交通事故事件を担当していると,飲酒運転の事故の被害者から相談を受けることもありますが,
飲酒による一時の楽しみにより,多くのものを失うケースを目の当たりにすると,飲酒の恐ろしさを感じます。
加害者が飲酒運転の場合,当然のことながら,飲酒運転でない場合に比べて厳しく刑事責任を追及されます。
また,民事の損害賠償責任においても,過失割合が高くなったり,慰謝料の増額事由として評価の対象とされる場合もあります。
自動車保険については,通常,被害者救済の観点から,被害者に対する賠償責任に関する保険金の支払いは補償されますが,
その他の,加害者自身の受け取る保険金の補償範囲は制限されます。
このように,恐ろしい結果を導くこともある,お酒ではありますが,
同時に,飲酒をしたときのほろ酔いの心地よさなど,人類にとって抗いがたい喜びをもたらす一面もございます。
一説によれば,酒と人類のかかわりは非常に古く,有史以前から人はお酒を飲んで楽しんでいたとのことです。
考古学的に確認されている,酒の最古の事例は,日本がまだ縄文時代だったころの中国の遺跡から発見された陶器の欠片からお酒の成分が検出されたというものだそうです。
いずれにしても,酒と人間は,大昔から切っても切れない縁で結ばれているようですので,重要なのは,適切な付き合い方をすることなのでしょう。