今年のゴールデンウイークは、コロナ流行も落ち着いて、すごく多くの人出だったようです。
そのようなゴールデンウィークの間に、石川県では大きな地震がありました。私の同期の弁護士が金沢で働いていますので、久しぶりにお見舞いのLINEを送ってみましたが、幸いにして特に問題はなかったようです。
その同期の友人から聴くところによると、金沢市内よりも能登半島の奥の方が、揺れが激しかったそうです。
そして、後日、その友人から私の職場に「奥能登の地酒」と包装紙に書かれた贈り物が届きました。
お中元の季節でもないのに何だろうと思って連絡をとってみると、その友人曰く、被災地を応援する気持ちで奥能登の地酒を購入したので、私のほうにもお裾分けで送ってくれたそうです。
酒飲みの発想だなと可笑しく思いつつ、なかなかに洒落た心配りに、うれしい気持ちがしました。
届いたのは、「谷泉」というお酒でした。どんな銘柄なのか、気になってインターネットで調べてみると創業230年の伝統のある酒造店でした。興味深いことにお酒を造る杜氏の方について、石川県で唯一、女性の杜氏の方がいる酒造店と紹介されていました。
なお、法律に絡めた話をすると「地酒」という言葉については、明確な法的な定義はないそうです。
「地酒」というのは、法的に定義される言葉ではなく、あくまでご当地の特色が豊かにでた特徴のあるお酒という意味の日常の言葉です。
法的な言葉で今回の贈り物を語るとすると、「清酒」という言葉になります。
「清酒」を含む、様々な酒類に関する定義は、酒税法という法律に定められています。
酒税法では、清酒とは、「次に掲げる酒類でアルコール分が二十二度未満のものをいう。イ 米、米こうじ及び水を原料として発酵させて、こしたもの ロ 米、米こうじ、水及び清酒かすその他政令で定める物品を原料として発酵させて、こしたもの(その原料中当該政令で定める物品の重量の合計が米(こうじ米を含む。)の重量の百分の五十を超えないものに限る。)」
と定義されています。
この他にも、「発泡酒」と「ビール」の違いなども、酒税法の定義から確認ができます。
普段口にするお酒についても、掘り下げて考えると法律に絡めたお話がでてくるものです。
酒類の定義などという無粋な話は、酒の味が不味くなりそうな話ですので、このあたりで終えたいと思います。