裁判を起こす場合、訴状と呼ばれる書類を裁判所に提出します。
裁判所は、その訴状を訴えを起こされた人(被告といいます)に送り届けます。
この送り届けることを民事訴訟法の用語で「送達」といいます。
しかし、被告のなかには訴状の送達を受け付けない人もいます。
その場合、裁判所は訴えを起こした人(原告といいます)に被告が本当にその住所に住んでいるのかなどの調査を求めることが一般的です。
弁護士が原告の代理人についている場合には、代理人の弁護士が現地調査を行います。
通常は、調査によって被告の所在が明らかになります。
ただし、被告が本当に夜逃げしている場合など、調査を尽くしても被告の所在が明らかにならない場合もあります。
そのような場合、裁判を永遠に始められないのかというと、そういうわけではありません。
被告の所在が明らかにならない場合には、裁判所の掲示板に公示する公示送達と呼ばれる方法で訴状を被告に送達したことにすることが可能です。
そして、公示送達が行われると、裁判の期日が設けられますので、その期日に被告が出席して反論をしなければ、原告の言い分を認めた内容で判決がでてしまいます。
このように、裁判所からの呼び出しを受け取らないと、そのまま気づかないうちに裁判に負けてしまっていることがあるというのが、日本の裁判の仕組みです。
裁判所からの手紙については、決して見逃すことの無いように気を付けていただければと思います。