1年は12か月あり、それぞれの月に四季折々、それぞれの良さがあります。
ただ、そのようななかでも、新年度を迎える3月から4月への移り変わりは感慨深いものがあります。
大晦日から正月を迎える新年も感慨深いですが、3月から4月への変わり目は、多くの企業や官庁等で人事異動があり、卒業式、入学式、入社式というように、人間関係が大きな変化を迎えるタイミングです。ちょうど、日本の国花の一つである、桜の咲く季節でもあり、桜の下での卒業式や入学式などを思い出す季節ではないかと思います。
このように、1年の年度が、4月から翌年3月で区切られる制度は、法律にも根拠がございます。
例えば、国や地方公共団体の会計年度は、財政法や地方自治法などの法律で会計年度は、毎年4月1日に始まり、翌年3月31日におわるものとすると定められています。
学校の年度についても、学校教育法の施行規則で小学校が4月1日スタートと決められており、義務教育から高校まではこの施行規則の定めを準用していることから、4月1日スタートの3月31日までが1学年となる制度になっています。
このように、4月1日が1年度のスタートとされているのは、世界的に見れば決して普遍的な現象ではありません。
会計年度については、多くの国ではわかりやすく、1月~12月で1年度を数えています。日本でも、所得税などの税金の課税については1月~12月で計算をしている例があります。
また、学校の年度については、欧米の学校では9月入学を採用しているところが多いようです。
日本の大学でも、留学生獲得の便宜を考えて、9月入学を実施しようとするという試みもあるようですが、少数派です。
外国との交流には多少不便かもしれませんが、日本の社会の多くの局面で、3月に年度を締めくくって4月に一斉に新しい年度を始めるという運用は、慣れ親しんだ身からすると、便利で居心地が良いように感じます。
ただし、弁護士の業界については、例年12月に修習が終わり12月中に一斉登録をして、12月末から1月にかけて新しい弁護士が実務につき始めるというスケジュール感になっていますので、少しことなるタイミングで節目があることになります。