空家等対策の推進に関する特別措置法
こういう名称の法律が今年の2月に施行されたことをご存知でしょうか。
皆様のご近所にも,ひょっとすると,長年空家として放置されていて,
なにか治安に悪影響がありそうだったり,道路上まで植木が枝を伸ばしていて地域の方が困っていたりという
空き家があるかもしれません。
空家対策特別措置法は,こういった問題のある空き家を「特定空家等」として,
行政が対応策を講じることができるようにする法律です。
この法律を初めて見たときに驚かされるのは,空家の除却まで,行政が命令できてしまうことです。
しかも,命令に従わない場合には,行政が代執行をすることも認める内容となっています。
簡単にいってしまうと,行政が「あなたの所有している家は長年空家になっているので,壊して撤去してくさい」と命令してきて,
もし,これに応じないと,「じゃあ,行政が代わりに壊して撤去しますね」といって,撤去に取り掛かることができる内容になっているということです。
もちろん,これは権利に対する相当大きな制限ですから,
限定的な場合(たとえば,その空家を放置すると倒壊して,周囲の住人の命が危ない場合など)にのみ除却が認められる仕組みになっています。
たとえば,「空き家になっている田舎の家の庭木が道路に飛び出して周りの住民が困っている」
という程度の話なら,「庭木の枝を剪定してくださいね」という話で済むと思われます。
詳しくは,空家対策特別措置法の14条をご覧ください。