「友人が,借したお金を返してくれないので,なんとかして欲しい。」
という相談は,法律家以外にも,法律問題としてイメージしていただきやすいと思います。
これに対して,
「友人に,お金を支払いたいんだけど,友人が受け取ってくれない。」
という相談は,ちょっとイメージしにくいのではないでしょうか。
お金を受け取るのを拒む人などいるのだろうか?
と一般的には疑問が浮かびます。
しかし,現実には,家賃や損害賠償額などの妥当な金額が争われている事案などで,「こちらの納得いく金額ではないから,そんな金額では受け取れない」と,相手が言ってくるケースは少なくありません。
こういったケースでは,供託という手続きが用意されています。
供託とは,簡単にいうと,金銭等を相手が受け取ってくれない時に,相手に金銭を支払う代わりに,役所に金銭を預けて金銭を支払ったのと同じ効果を得ようとするものです。
役所からは相手に「金銭を預かったので取りに来てくださいね」と連絡をいれてもらうことになります。
具体的な手続きは,こちらや相手が会社なのか個人なのか,相手がどうして金銭等を受け取らないと言っているのかなどでバリエーションがあります。