12月になると,もう今年も最後だなと思います。
1年の締めくくりとなる,12月最後の日を大晦日といいますが,井原西鶴の世間胸算用など昔の本を呼んでいると,
江戸時代の町人が大晦日に,
掛け売りの代金の回収に奔走(買った側は支払いを逃れようと,逃げ隠れ)する様子が描かれています。
子供の頃,この話を読んだとき,どうしても良く分からなかったのが,
なぜ大晦日に限って,そんなに必死になるのかということでした。
大晦日に支払ってもらえなければ,翌年の1月1日にまた請求書を突き付けてやればいいんじゃないのか?と・・・
少し気になって,調べてみると,昔は掛け金の回収は盆と暮れの年二回という商慣習があって,
年の暮の大晦日に掛け金を回収できないと,次の回収はお盆までまたないといけないので,
みんな必死になったのだ,という話をききました。
私は,歴史の専門家ではないので,江戸時代の商慣習が実際どんなものだったのかわかりませんが,
そんな悠長な商慣習があったとは驚きです。
弁護士として,あえて,現代の法律と比較をしますと,
大晦日が期限の掛け金の回収を1日逃れたとしても,翌日には再度請求を受けます。
しかも,遅延損害金がつきます。
支払いは期限を守るのが一番だと思います。