前回につづき,弁護士が使うエクセルの関数等について紹介したいと思います。
なお,エクセルの関数の具体的な記入方法等については,もっと図などを引用した分かりやすいサイトがあるはずですので,そちらを参考にしていただければ幸いです。
本ブログでは,あくまで,どういう観点から,弁護士がエクセルを使っているのかを紹介したいと思います。
前回は,SUMIF関数を紹介しましたが,今回は,それを使ううえで,ちょっとした注意点と小技について触れていきたいと思います。
前回のように,項目ごとに分類して数字を集計したいときにSUMIF関数は有効なのですが,実際に使ってみると,集計漏れが生じてしまうことがあります。
もちろん,パソコンのエラーなどではなく,人為的ミスによる集計漏れです。
まず,必ずするべきなのは,数字を入力した列をSUM関数で合計して入力されている数字の総額を確認し,さらにSUMIF関数をつかって分類した後の数字についてもあらためてSUM関数で合計して,両者が一致しているかを確認することが必要です。
そうすると,しばしば,両者が一致しないことが起きます。
その不一致が起こる最大の理由は,2列目の「A店」「B店」などの記入ミスです。
手作業で,2列目に分類を入力していると,どうしても「A店」と書くべきところを「A点」書いてしまったりすることがあります。また,分類に使用する記号によっては,大文字小文字等の肉眼では区別しにくい違いがパソコン上でことなる文字列として認識されてしまうケースもあります。
このような場合,SUMIF関数で指定した条件と少しでも違うメモが2列目にかかれた数字は集計対象になりません。
そのため,集計漏れがしょうじるのです。
これを回避する小技が「データの入力規則」です。
エクセルの画面の上のほうをみると「ホーム」「挿入」などと並んで「データ」と書かれているのが見つかると思います。
この「データ」を開くと「データの入力規則」という項目があります。それを開くと,「入力値の種類」という項目があるので,それをクリックして「リスト」を選択します。
さらに,その下の「元の値」という項目に,「,」で区切りながら,分類したい分類項目を全部列挙していきます。たとえば「A店,B店,」というようにです。
そうすると,このデータの入力規則の指定をうけたセルではプルダウンで,そのリストのなかから選択式でセルの内容を決定できるようになります。
これを,数字の列の横のメモの列に全部使い,さらに,SUMIF関数の検索条件指定のセルにもコピーしておけば,上記のような記入ミスによる集計漏れをなくすことが可能となります。