裁判所ごとの運用の違いについて

弁護士法人心は関西、東海、関東の幅広い地域に支店を展開しています。

そのため、社内で会議を開いたり、特定の法律分野について社内研修会などを開いたりして、他の支店の弁護士の話をきくと、裁判所ごとに細かな運用が異なることを知らされます。

たとえば、交通事故の慰謝料の計算の仕方一つをとっても、大阪と東京では主に参照されている慰謝料の基準表がことなります。

また、借金の整理のなかには、個人再生という手続きがございますが、この手続きのなかには、個人再生委員というものを選任するかどうかという問題がございます。

この個人再生委員の選任ついては、東京地裁では原則として個人再生委員を選任することとされており、実際に東京の支店の弁護士に聞くと、大半の案件で個人再生委員が選任されるとのことでしたが、大阪や京都など関西地域では、債権額を巡って争いがあったり、財産額の評価が特に難しい案件などでなければ、一般的にはあまり個人再生委員が選任されない傾向があります。

また、同じ関西の地域でも、大阪と京都でも裁判所が異なれば、利用する書式に違いが生じたりします。

同じ国会で制定された同じ法律を利用する手続きですが、裁判所ごとにこのような違いがあるというのは、非常に興味深い現象です。

また、実際に弁護士に依頼して事件処理を任せようと考えるお客様からすると、その弁護士が、どれくらい現地の裁判所の運用に通じているかも確認してみると、より良い選択ができる可能性があります。