”入国管理局”から電話がありました

先日、私の携帯に見知らぬ番号から電話がありました。

電話にでてみると、片言の機械音のような日本語で、「こちらは入国管理局で、あなたの提出した書類の期限が迫っていて、この書類を出さないとあなたのビザは失効になって・・・・」というように、在留資格更新手続きを緊急で行うよう促す電話でした。

私は、生まれてこの方ずっと日本人ですので、在留資格の更新など必要になるはずもなく、明らかに詐欺に誘導する電話と思われたので、一笑にふして無視することにしました。

ただ、考えてみると外国籍の方にとっては、このような電話は怖い電話ではないでしょうか。

外国籍の方にとっては、在留資格の問題は、暮らしの基礎を揺るがしかねない大問題です。

もし、私が外国籍で日本に滞在している状況だったら、こういう電話がかかってきたら、驚いて慌てて折り返しの電話をかけてしまい、詐欺にはまったりすることもあるかもしれないなと思います。

特に、日本人の私からすると、かかってきた電話の音声が、明らかにおかしな片言の日本語だと気づきますが、母国語が日本語以外の方にとっては、詐欺電話の日本語が自然な日本語かどうかの判断をすることも難しく、詐欺に誘導されてしまうのではないかと心配になります。

また、政府統計によれば、10年程前は在留外国人の数は210万人程でしたが、昨年には340万人を超えており、日本で生活する外国人の数は年々増加しています。

2019年の入管法改正により、「特定技能」の在留資格が導入され、これまで以上に幅広い分野で外国籍の方の就労が可能となりました。特に、特定技能2号の在留資格では、在留年数の上限が設けられておらず、家族の帯同も認められると聴きます。

こういった政策の動向を見ていると、今後、日本で生活する外国籍の方はますます増えていくのだろうと予想できます。

日本で生活する外国籍の方が増えれば、そういった方をターゲットにした詐欺などの犯罪も増えるのだろうと思います。

こういった詐欺の電話にひっかからないようにするには、何か電話やショートメッセージで、金融機関や公的機関から連絡があった場合に、その通知をそのまま信じて、メッセージを返したり、折り返しの電話をすることはさけるべきです。

そして、政府のホームページや電話帳などで正確な連絡先を確認したうえで、直接公的機関に問い合わせて、本当に何か問題が生じているのかを確認することが大切です。

また、在留資格の更新などについて、もし不安がある場合には、弁護士や行政書士のような士業の人間に日頃から相談しておくことも、良い解決策になるのではないかと思います。

きちんとした、弁護士事務所に在留資格の更新を任せておけば、仮に入国管理局を名乗る詐欺電話が突然かかってきても、先ずは弁護士に相談することで詐欺の電話か、本当に在留資格に問題が生じているのかを判断することもできます。

弁護士法人心でも本社のある名古屋エリアを中心に、外国籍の方からの在留資格に関するご相談を受け付け始めました。

私自身は、在留資格関係の案件は担当しておりませんが、日本で暮らす外国籍の方で、在留資格関係の不安がある方は、日ごろから弁護士事務所などに相談をしておくこともご検討いただければと思います。