とうとう元号が発表されました。
「令和」という元号だそうです。
特筆すべきは,これまでの元号は,中国の古典から引用するのが原則であったところ,
今回は万葉集からの引用であるということです。
伝統を重んじつつも,新しい要素も今回の元号にはあるということです。
ちなみに,元号について,弁護士らしく法律面からお話をすると,
そもそも,現在の元号の定められ方や扱われ方は,長い日本の歴史からみると,かなりイレギュラーな仕組みになっています。
まず,現在の日本の法制度では,元号について,「元号法」という法律があって,その法律に従って,元号は決定され使用されます。
元号法はかなり短い法律で,「第1条 元号は政令で定める。」「第2条 元号は,皇位の継承があった場合に限り改める。」という2条からなっています。
なお,「政令」とは,内閣が制定する命令のことです。
つまり,現在の法律制度では,「元号」とは,天皇が代替わりしたら,内閣が決めて変更するという仕組みになっているわけです。
長い日本の歴史を振り返ると,元号は,①天皇が決定するものであり,②1代の天皇の間に複数の元号が使用されることも数多くありました。
この2点で,現在の元号法は,古代から中世,近世へと続く,元号使用の伝統とは異なる制度設計になっているといえます。