先日、遠方の裁判があって名古屋・大阪間を新幹線に乗っていたときのことですが、
車内アナウンスで、今年は日本で鉄道開業してから150年の記念の年と放送されていました。
気になって調べてみると、日本で初めて鉄道が開業したのは、1872年(明治5年)10月14日のことだそうです。東京の新橋から神奈川の横浜までの区間を走る鉄道だったとのことですので、最初の鉄道だという点を考慮すると、かなりの長い区間を走る鉄道を最初から作ったものだなと感心します。
そして、この150年の間に、日本全国に鉄道網が文字通り網の目のように張り巡らされるようになり、さらに、新幹線のような高速鉄道も整備されたのですから、鉄道の発展について思うと、日本の技術力や工業生産力の発展の歴史を象徴しているようで、感慨深いものがあります。
ちなみに、日本で近代的な弁護士制度が法律によって定められ、「弁護士」という呼称がしっかりきめられたのは、1893年の弁護士法制定のあとですから、日本における鉄道の歴史は、弁護士の歴史より古いことになります。
鉄道は、工業製品として物として列車だけでなく、その列車の運行をつかさどる人的組織があって初めて機能するものです。
そのため、鉄道に関しても様々な法律が定められています。
代表的なものは鉄道事業法であり、日本で鉄道事業を行う場合に、国土交通省の認可を受けてどのようなルールのもとで、事業を営まなければならないかが定められています。安全管理規定などの安全に関する基準なども、この法律に基づいて決められています。
法律を読んでいて、興味深かったのが、鉄道事業法の第32条以下に「索道事業」に関するルールも定められていることです。「索道」というのは聞きなれない言葉かもしれませんが、簡単にいうと登山などの際に目にするロープウェイのような宙づりの交通機関のことです。
考えてみれば、地面に敷いた鉄の線路を走るのか、宙にういた鉄線に沿って走るのかの違いだけなので、鉄道とロープウェイが一つの法律のなかにルールが定めれているのも、おかしな話ではないのですが、新幹線のような電車のルールを想像しながら読んでいる中に、突然、ロープウェイの話がでてきて面白く思いました。