多重債務事件増加を受けて弁護士に期待される役割と望ましい債務整理事件処理について再確認をするシンポジウム

先日、日本弁護士連合会「多重債務事件増加を受けて弁護士に期待される役割と望ましい債務整理事件処理について再確認をするシンポジウム」にZoomで参加いたしました。

コロナ禍が明け債務整理の相談が増えている中で、SNS等を通じて大量に広告を出して集客する事務所の中には、直接面談義務を履行しない事務所や、不適切な事件処理をする事務所が一部いるようで、これらの問題について情報共有を行い、今一度債務整理を取り扱う弁護士として期待されている役割、適切な事件処理をするために必要なことは何かについて議論がなされました。

問題意識としては主に2つで、①直接面談義務を履行しないことによって、弁護士から依頼者となる方に対して、収入支出の状況等に関する適切な聴き取りがなされず、無理な任意整理の契約をさせられてしまっていること、②広告の中には、国が認めた新しい借金救済措置があるかのような誤解を招く表現や、過払金によって借金が減額する可能性があると期待させて集客するなど、不適切なものが散見されること、が指摘されていました。

私も、過去のブログにて、一度任意整理をしたが支払いが厳しくなったため自己破産・個人再生をしたいという相談があった際に、本人の収入・支出のバランスからすればどう考えても任意整理での解決が難しいにもかかわらず、任意整理で契約した方が見受けられるとお話しいたしましたが、同様の問題意識を持つ弁護士は多く、日弁連としても問題視しているようです。

不適切な事件処理が行われることによって、弁護士全体に対する信頼の低下につながる危険性もあるため、私もより一層気を引き締めて取り掛からなければならないと思いました。