株式会社武蔵野主催の実践幹部塾第2講に参加しました。今回の研修では,MG(マネージメントゲーム)研修といって,架空の会社の経営者となって,材料の仕入れから工場での商品の製作,市場への販売という一連の流れをロールプレイングしながら,決算書類を作り,いかにして会社を経営していけばよいのかを学ぶ,というものでした。
会社の経営において,利益を上げるための方策としては,材料をいかに安く仕入れるか,生産・販売能力を高めていかに市場へ大量に売り出すか,市場競争力を高めていかに商品を高く売るか,などいくつかあります。MG研修では,同じグループのほかの経営者の動向を見ながら,自分の会社でいかに利益を上げるかを考えました。また,ただ単にその年度だけ利益を上げるのではなく,中・長期的な目線からどのような経営戦略をとれば会社が安定して成長していけるのかも考えなければならず,その両立は非常に難しいと感じました。
MG研修の中では,順調に会社を成長させた方もいれば,右肩下がりに経営が悪化してしまった方もいました。あくまでゲームなので運の要素もありましたが,それでも会社を経営するうえで経営者としての意思決定の重要性を再確認することができました。
普段の弁護士業務では,いかに依頼者さんの利益を上げるか,どのように主張を組み立てたら相手方や裁判所を説得できるのか,こちらに有利な証拠をどのように集めるのか,といったことを考えていますが,MG研修では普段あまり考えないことを考える良い機会になったと思います。
また,交通事故の事件処理をする中で,個人事業主の方が交通事故に遭われ,休業損害を請求したいということが多くあります。その際,決算書類や売上に関する書類を見て,いかに売り上げの減少を主張すべきかを検討することがしばしばあります。MG研修を通して,会社経営者の視点を学び,実際に決算書類を作成したことで,交通事故の事件処理にも役立つものがあったのではないかと思いました。