こんにちは。名古屋の弁護士の松岡聡司です。
2月28日に厚生労働省のホームページ上に平成29年度の賃金構造基本統計調査(いわゆる賃金センサス)が発表されました。賃金センサスとは,年齢や学歴,職種ごとに平均的な収入の統計をまとめたもので,交通事故の損害賠償の金額を算定する際に参考にされることが多いものです。毎年2月頃に前年度のものが発表されますので,今年発表されるのが平成29年度のものになります。
賃金センサスがよく参照されるのが,主婦の休業損害の算定の場面です。交通事故に遭ってけがを負った主婦の方の,日常家事への支障を金銭的に評価する場合,簡単に言ってしまうと「基礎収入×支障が生じた日数×支障の程度」といった計算方法が用いられます。主婦の方は基本的には収入がありませんので,「基礎収入」の部分で賃金センサスにおける平均収入が参照されます。
参考までに,賃金センサスの見方,平成29年度の賃金センサスにおける女性の全年齢の平均賃金の計算方法をご紹介します。
①「e-Stat政府統計の総合窓口」というサイトの「賃金基本統計調査」のページを開きます(賃金センサスと検索すれば出てきます。)
②平成29年賃金構造基本統計調査の「産業大分類」をクリックします。
③年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額の「産業計・産業別」のExcelをクリックします。
④エクセルの「女 学歴計」の「決まって支給する現金給与額」×12カ月分と「年間賞与その他特別給与額」を足し合わせた金額が平均収入となります。
したがって,26万3600円×12カ月+61万5千円=377万8200円が平成29年における女性の平均収入となります。