最近,弁護士の中でとあるインターネットサイトの存在が問題視されています。
あえて名前は出しませんが,そのインターネットサイトの中には,個人再生,自己破産を申し立てた個人・会社名及び住所・所在地が掲載されているのです。
個人再生,自己破産をすると,氏名及び住所が「官報」という政府が一般国民に向けて発行する文書の中に掲載されるのですが,当該インターネットサイトは官報に掲載されている情報のうち,個人再生,自己破産をした個人名及び住所等をピックアップして掲載しているものと思われます。
確かに官報は,誰もが見ることのできる文書ですが,個人再生や自己破産をしたことはその方にとって周囲の方には知られたくない情報であり,個人再生や自己破産をして人生を立て直そうと考えている方にとって,インターネットサイトに自分の名前及び住所が掲載されるのは,人生の再建を妨げるおそれがあるため,非常に問題だと思います。
なお,当該サイトには,ここに掲載されているのは破産者や個人再生者ではなく,フィクションである,などと記載されていますが,官報に掲載されている内容と同一の内容が掲載されていますし,フィクションだと言いながら「事実と異なる場合には修正に応じる」と記載されるなど意味不明です。
以前にも破産者マップと呼ばれる同様のインターネットサイトが問題視されましたが,また同じようなサイトを作るものが現れてしまうとは,非常に残念です。
このような悪質なサイトを興味本位で検索される方がいなくなることを切に祈るばかりです。