直接面談義務に関する意見書

弁護士が債務整理に関する依頼を受ける場合、依頼を受ける弁護士(弁護士法人が受任する場合はその社員または使用人である弁護士の少なくとも一人)が、依頼者と直接面談をする必要があります。これを、直接面談義務といいます。この直接面談義務は、日本弁護士連合会が定めた、「債務整理事件処理の規律を定める規程」の中で義務付けられています。

この直接面談義務について、一部の弁護士事務所できちんと果たされていないとして、大手消費者金融4社(アコム、アイフル、SMBCコンシューマーファイナンス、新生フィナンシャル)が、連名で日本弁護士連合会に対して意見書を提出したという報道がありました。

最近では、インターネットやSNS等に多くの広告を出し、全国各地から債務整理の依頼を獲得しようとする事務所が増えてきています。その結果、例えば名古屋市在住の方が、東京にしか事務所がない法律事務所に依頼することもあり得ます。

しかし、SNS等で知った事務所に依頼をしたが、事務所が遠方であることを理由に弁護士との面談はなかったため、不安に思い当法人に相談したいというお問い合わせもあります。そして、実際に面談をして相談してみると、前に依頼した事務所は、依頼した債務整理について問い合わせをしても弁護士が出てくることはなく、すべて事務員が対応する(しかも対応する事務員がコロコロ変わるため、個別の事情を把握していない)とか、必要と思われる最低限の説明すらなされていないように感じるケースもあります。

債務整理については、メリットだけではなく、信用情報に傷がつくなどのリスク・デメリットがありますので、その点を面談の中でしっかりと説明し、理解してもらったうえで進める必要がありますから、直接面談義務はとても重要なものといえます。