少しずつ肌寒い季節になってきました。コロナ対策で換気のために窓を開けっぱなしにしているのですが,これからの季節もっと寒くなってくるとどのように空気の入れ替えを行うか難しいところです。
さて,今回は債務整理の相談を受けた際に,もう少し早めに相談してくれればよかったのに,と思った経験から,弁護士に相談するタイミングについてお話ししたいと思います。
①返済のために新たに借り入れを増やしてしまったケース
借金問題でお悩みの方の中には,月々の収入の中で返済をすることができなくなり,銀行や消費者金融などから借入れを行って返済に回すことがあります。しかし,これを繰り返していくうちに,借金の金額がご自身の返済能力を大幅に超えてしまうことがあります。そうなると,自己破産や個人再生など裁判所を通じた手続きによって,借金の金額を免除,あるいは減額してもらう必要が生じる場合があります。他方で,分割で支払いができる範囲内の借金額にとどまるのであれば,任意整理という方法をとる余地もありますので,借金の金額が大きくなりすぎる前に弁護士に相談していただいた方がよいと思います。
また,弁護士に相談する直前に新たに返済のために借入れ先を増やしてしまうと,その借入れが返済の見込みもないのに借入れをした,すなわち債権者に対する詐欺的な借入れではないかと評価されてしまう可能性があります。そのように評価されてしまうと,自己破産,個人再生において減免の対象外となってしまうおそれや,自己破産,個人再生の手続きがうまくいかない恐れもあります。新しく借入先を見つけないと返済ができないという状況に陥ってしまったら,借入れをする前に弁護士にご相談された方がよいでしょう。
次回へ続く…