債権者集会における各裁判所の違い

前回の続きで、各地方裁判所ごとの債権者集会における質問内容についての違いについて、お話しします。

名古屋地方裁判所や津地方裁判所では、免責に関する質問として、例えば、自己破産に至った経緯はどのようなものか、自己破産をすることについてどのように考えているか、二度と自己破産をしないようにどのようなことに気をつけて生活しているか、などの質問がなされることが多いです(事案によっては、裁判官から質問がなされることもなく、二度と破産をしないように気を付けてください、という注意のみで終わることもあります。)。これらの質問に対して真摯に答えれば、その場で免責許可決定が出され、数分で債権者集会は終わることが通常です。

しかし、岐阜地方裁判所本庁では、自己破産に至った経緯について、浪費やギャンブル、投資などがある場合、それらにのめり込んでしまった原因は何か、なぜ途中でやめられなかったのか、また同じような失敗を繰り返さないために実践していることは何かなど、かなり細かく、厳しく追及されることがあります。そして、回答の内容を踏まえて、免責許可するか後日決定するものとして、債権者集会が終わることもあります。

個人的な感想ですが、岐阜地裁の裁判官は、債権者集会における質問を通して、しっかりと自己破産に至ってしまったことを反省させ、二度と同じ過ちを繰り返さないようにしようという意識が強いのかな、と感じました。
たまたま厳し目の裁判官に当たっただけなのか、事案の性質的に免責を許可すべきか微妙な案件だったからなのか、真相は分かりませんが、岐阜地裁の本庁はそのような傾向が強いように感じました。