任意整理はどのような方に適しているか

今年のゴールデンウィークは,史上最大の10連でした。いかがお過ごしでしたでしょうか。

さて,先月のブログで借金の整理の方法は大きく分けて3つあるとのお話をさせていただきました。借金の整理をお考えの方にとって,自分はどの方針をとったらよいかわからないという方のために,それぞれの方針についてのメリットをご紹介したいと思います。

今回は任意整理についてお話します。

メリット① 家族に内緒で借金の整理ができる

借金問題は,家族や近しい友人などにも打ち明けにくいものだと思いますから,借金の整理についても誰にも知られずに終わらせたいという方もいらっしゃるのではないでしょうか。任意整理は,裁判所を通じた手続きではなく,弁護士と各貸金業者や銀行等(以下,「債権者」とします。)が個別に交渉し分割返済の約束をする手続きですから,家族にも知られずに行うことが可能です(もっとも,債権者が訴訟提起するなどした場合には,自宅に裁判所からの書面が届いてしまう場合があります。)。

メリット② 月々の返済金額や利息を減らすことができる

借金問題でお困りの場合,返済金額が多くて生活が回らない,毎月返済をしているがそのほとんどが利息に充てられてしまい元本がなかなか減らないというケースが多く見受けられます。任意整理では,借金の利息を免除(減額)してもらい,元本を長期間(目安としては3年~5年)で分割返済する合意を目指すことになります。したがって,任意整理によって月々の返済金額が減り,また利息が免除(減額)されることで完済までの見通しを立てることができます。

メリット③ 費用を安く抑えられる

個人再生や自己破産の場合,着手金だけで数十万円ほどかかりますが,任意整理では比較的費用を安く抑えることができます。なお,弁護士法人心の場合,着手金は1社当たり3万9800円+税,成功報酬金は0円です。

メリット④ 資料集めや書類作成の手間がない

個人再生や自己破産の場合,裁判所に提出しなければならない資料がたくさんあります。弁護士に依頼した場合でも,資料集めや家計の状況などについてはご自身で作成しなければならないものもあって手間がかかりますが,任意整理の場合にはそれらの負担がありません。

任意整理に要する期間についてはこちらをご覧ください。

来月は,個人再生のメリットについてご紹介したいと思います。

借金の整理の方法

こんにちは。新元号「令和」が発表され,裁判所からの次回期日に関する書面も「令和元年○月○日」という記載がされるようになりました。いよいよ改元が間近に迫ってきたな,という印象です。

さて,元号も変わるタイミングで借金の整理をお考えの方もいらっしゃるかもしれません。そこで,借金の整理の方法についての大枠をお話したいと思います。

借金の整理の方法は,大きく分けて3つあります。①任意整理,②個人再生,③自己破産です。

①任意整理とは,貸金業者との間で任意の話し合いによって,借金の利息をカットしてもらったり長期間での分割弁済の合意をすることをいいます。借金の金額が多い場合には,月々の返済金額の大半が利息に充てられてしまい元本がほとんど減らない…といった事態に陥ってしまうことがあります。任意整理により,利息をカットしてもらうことができれば,完済までの道筋が見えてきますし月々の支払金額を減額できる場合もあります。

②個人再生とは,裁判所を通じた手続きによって,借金の金額を減らし,3年(場合によっては5年)で分割返済をすることをいいます。個人再生のメリットとしては,住宅資金特別条項を利用することで,住宅ローンの残っている住宅を残したまま手続きをすることができる可能性がある点です。破産の場合には,住宅ローンの残っている住宅は競売にかけられるなどしてしまいますので,住宅を残して借金の整理をしたい方は,個人再生を検討すべきでしょう。

③自己破産とは,裁判所を通じた手続きによって,借金をなくすことをいいます。借金がなくなる点でメリットも大きいのですが,破産が認められなくなってしまう事情(免責不許可事由)もありますので注意が必要です。この点については,いずれ詳しく取り上げたいと思います。

それぞれの手続きにおいて,メリット・デメリット,利用できる条件等が異なります。借金の整理をお考えの方は,弁護士にご相談ください。

債務整理の種類についてはこちらもご覧ください。