タスク詐欺の被害が急増中

連日暑い日が続いています。名古屋では、25日連続で猛暑日が続いたようで、記録的な暑さとなっています。

さて、最近相談に乗っている中で、とある詐欺被害に遭ったため破産したいという相談が増えてきました。その詐欺というのが、「タスク詐欺」と呼ばれるものです。

タスク詐欺とは、SNS等を通じて「副業に興味がないか?」と誘い、まずは、InstagramやX(旧Twitter)の指定した投稿に「いいね」を押す、特定のアカウントをフォローするなどの簡単な作業をさせ、数百円程度の報酬を払って信用させ、その後、高額の報酬をちらつかせて、特定の口座にお金を入金させる、指定した仮想通貨を購入させるなどの方法でお金をだまし取る方法のことをいいます。さらに、お金を払わせた後、「そのお金を引き出すためには、さらに〇〇万円の入金が必要」などと言われ、高額なお金をだまし取られてしまう方もいらっしゃいます。

詐欺被害による借金について自己破産の申し立てをした場合、詐欺加害者に対する損害賠償請求を行うために、裁判所が破産管財人を選任する場合があります。その場合、弁護士費用とは別に破産管財人の費用がかかりますので、負担も重くなってしまいます。

詐欺の手段は年々巧妙化しておりますが、お金を稼ぐためにこちらがお金を一旦払う必要がある場合や、こちらの労力に見合わない報酬が設定されているなどのうまい話は、簡単に信用してはいけません。

免責不許可事由②

8月8日に宮崎県で震度6弱の地震があり、8月9日には神奈川県で震度5弱の地震がありました。

特に前者については、南海トラフ地震との関連性が指摘されているといった報道もありました。事務所のある名古屋市も南海トラフ地震の想定震源域に位置していますので、十分な注意を払っていきたいです。

さて、前回に引き続き、免責不許可事由について詳しく見ていきたいと思います。

破産法252条1項2号は、「破産手続の開始を遅延させる目的で、著しく不利益な条件で債務を負担し、又は信用取引により商品を買い入れてこれを著しく不利益な条件で処分したこと。」と規定されています。

「著しく不利益な条件で債務を負担」に該当する行為の典型例としては、いわゆる闇金からお金を借りることが挙げられます。闇金は、利息制限法を大幅に超える利息を取っていることから、「著しく不利益な条件」で借入をしたことになります。借金の返済に行き詰ったとしても、闇金には手を出さないようにしましょう。

また、「信用取引により商品を買い入れてこれを著しく不利益な条件で処分した」に該当する典型例としては、クレジットカードを利用した換金行為が挙げられます。クレジットカードを利用して商品券やゲーム機、ブランド物を購入し、すぐに売却して現金化する方がいらっしゃいますが、このような換金行為自体がクレジットカードの規約違反となる可能性があるばかりか、免責不許可事由に該当する可能性もあります。返済に追われているが、キャッシングをすることもできないという状態になってしまったら、換金行為に走るのではなく、弁護士に相談し、解決方法についてアドバイスしてもらうことをお勧めします。