免責不許可事由③

11月に入り、名古屋でも急に寒さが厳しくなってまいりました。寒暖差アレルギーなのか、くしゃみが止まらず、非常につらいです。

さて、少し間が空きましたが、免責不許可事由の深掘りをしてみたいと思います。

破産法252条1項3号は、「特定の債権者に対する債務について、当該債権者に特別の利益を与える目的又は他の債権者を害する目的で、担保の供与又は債務の消滅に関する行為であって、債務者の義務に属せず、又はその方法若しくは時期が債務者の義務に属しないものをしたこと。」と規定されています。これは、「偏頗弁済」と呼ばれる行為をさします。

自己破産の手続きでは、債権者平等の原則といって、すべての債権者を平等に取り扱わなければならないというルールがあります。しかし、一部の債権者に対してだけ優先して返済を行ってしまうと、債権者間の平等性が害されてしまうため、そのような行為は偏頗弁済と呼ばれ、禁止されています。

よくある例としては、親・兄弟などの親族、友人、勤務先からも借入れがあり、迷惑をかけたくないからという理由でそれらの債権者に対してだけ返済を続けてしまうことがありますが、免責不許可事由に該当する可能性があるため、やってはいけません。

また、偏頗弁済があった場合、裁判所から破産管財人という弁護士が選任され、偏頗弁済行為に対して否認権を行使し(=なかったものとして扱うこと)、返済を受けた相手方に対し、受け取った金額の返還を求める場合があり、かえって相手方に迷惑がかかる可能性もありますので、やめましょう。