弁護士法人心 本部に所属しております,弁護士の小島と申します。
日々思ったこと,皆様のお役にたてる情報などを書いていきたいと思います。
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自転車運転での罰則強化
道路交通法が改正され、11月から自転車運転中にいわゆる「ながらスマホ」をする行為や、酒気帯びでの自転車運転の罰則が強化されました。
ながらスマホは、これまで5万円以下の罰金であったものが、6か月以下の懲役または10万円以下の罰金になりました。
さらに、ながらスマホによって交通の危険を生じさせてた場合は、1年以下の懲役または30万円以下の罰金となっています。
自転車の酒気帯び運転は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金となっています。
自転車の飲酒運転をするおそれがある者に種類や自転車を提供したりすることも禁止されています。
居酒屋では、自動車で来店していないかということの他に、自転車で来店していないかという点も確認が必要となりますね。
また、最近では、スマホでのレンタル自転車も増えており、私も弁護士業務や税理士業務の際に利用することがありますが、その利用の際にも、「酒気帯びではないこと」などの確認が求められるようになるかと思います。
すでに、レンタルする際にそのような確認事項を表示してタップさせるアプリもでてきていますね。
個人的には、スマホを見ながらの自転車運転は目隠し運転と同じですし、イヤホンをつけての運転は耳栓しての運転と全く同じだと思っていますので、このような危険な運転をする人が減ってくれる分には歓迎すべきかと思っています。
ノーベル賞の賞金に所得税はかかるのか?
弁護士・税理士の小島です。
50年ぶりに日本でノーベル平和賞の受賞が発表されたようです。
賞金の話をするのも下世話な感じもしますが、今回は、賞金に税金はかかるのか?という観点で記事を投稿したいと思います。
現在のノーベル平和賞の賞金は、1100万スウェーデンクローナ(約1億6000万円)のようです。
賞金も、経済的な利益であることに違いはないので、通常であれば所得税がかかるようにも思えます。
ただ、実は、ノーベル賞に基づく賞金は課税対象外になっています。
これは明確に法律上定められております。
所得税法では、第9条に非課税の規定が定められています。
ノーベル賞に関しては、同法律の第1項第13号ホに規定があり、「ノーベル基金からノーベル賞として交付される金品」は所得税を課さないこととされています。
仮に、この規定がなかった場合、ノーベル賞の賞金は一時所得になるでしょうから、金額的にも半分近くは所得税がかかったものと思われますので、本規定の影響はかなり大きいといえます。
ちなみに、似たような非課税規定として、オリンピックやパラリンピックで特に優秀な成績を収めた者に対する表彰金なども対象となっています。
今年は9月が予定納税の引落し月
名古屋の弁護士・税理士の小島です。
個人事業主やそれ以外の方でも、個人の所得税の予定納税を毎年納付されておられる方もいるかと思います。
なかには、忘れないように口座振り替え手続にされている方もいるかと思います。
口座振替の方は、いつもは7月に引落しがされているはずなのに、今年は口座振替がなかったな?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
実は、今年は、定額減税の関係で、所得税の口座振替が9月に行われることになっています。
そのため、7月には口座振替がなかったのです。
いつもと振替のタイミングが異なりますので、銀行口座の残高を忘れずにチェックしておきましょう。
また、今年は2回目の口座振替は12月に行われます。
こちらもいつもと引落しのタイミングが異なりますので、残高には注意が必要です。
ちなみに、私自身は口座振替にはしていなかったりします。
口座振替は、納付を忘れないというメリットはありますが、税務署から納付書は送られてきますので、そうそう忘れることはないかと思います。
それよも、スマホのアプリ決済にしておくと、納税によってポイントを貯めることができます。
一回当たり30万円の納付までという制限はありますが(ただ、これも複数回にわけて納付することが可能です。)、ポイントが貯まりますので、私自身はアプリ決済で納付してます。
裁判所にも夏休みがある
あまり知られていないことかもしれませんが、裁判所にも夏休みというものがあり、8月中は夏期休廷期間が設けられています。
その間は、弁護士も法廷が開かれないため、裁判手続を行うことはできません。
すべての裁判手続を行うことができないというわけではなく、仮差押えなどの緊急性の高い案件は動いています。
また、刑事に関しては、特に関係なく休みにはなっていません。
もちろん、すべての裁判官が休みというわけではなく、部や係の単位で順番に休みをとるそうです。
とはいえ、休み中に旅行等へ行く裁判官もいるでしょうが、たまった判決を起案し、休み明けに処理ができるよう奮闘されている方も結構な数いらっしゃるようです。
これは、夏休みだけでなく、たまった休みをとることができる年末年始も同様のようです。
違う話にはなりますが、夏休みの期間には、小中学校の宿題の提出の一環として、裁判所で傍聴をする学生もいるようです。
また、最近では最高裁や、地方の裁判所でも、夏休みに裁判所見学会などのコースも用意して、そのような見学ツアーも行っているようです。
私自身が子どものころに参加したことはありませんが、確かに裁判所で妙に小さい子(小中学生くらい)がいるなと思ったことはあります。
所得税の予定納税の納付期限にご注意
名古屋の税理士、弁護士の小島です。
所得税の確定申告をされている方で、納税額が15万円を超えている方は、予定納税のお知らせが届いているかと思います。
所得税の予定納税の納付期限は、8月1日までです。
納付期限に遅れてしまうと延滞税がかかりますので、期限に遅れることのないよう納付しましょう。
期限の管理が苦手な方は、振替納税にして口座振替で自動的にさ引き落としがされるように設定されることをおすすめします。
これだと、納付期限に遅れることはありませんので管理が楽になります。
デメリット…というほどでもありませんが、他の納付方法を利用した方がお得感を感じる方法もあります。
それは、スマホアプリ納付です。
参考
https://www.nta.go.jp/taxes/nozei/nofu/smartphone_nofu/index.htm
現在、PayPayや楽天ペイなど、複数のアプリ決済が可能です。
この納付方法で納めると、アプリの種類によっては支払い金額に応じたポイントが貯まるという点がメリットです。
例えば、私はPayPayで納付していますが、PayPay納付の場合、PayPayポイントがつきますので、その分ちょっとだけお得になります。
もちろん、納付期限を過ぎてしまうとできませんし、自分で納付期限を管理しなければならなくはなりますが、納付書が送られてくる間は、この方法でよいかと思っています。
なお、納付金額が30万円以下の場合でなければスマホアプリ納付は利用ができませんが、これは一回あたりの納付金額なので、複数回にわけて納付を行うことは可能です。
ですので、面倒でなければスマホアプリ納付を複数回行うことで、事実上、30万円を超える支払いも可能です。
調整給付金の申請を忘れずに
税理士・弁護士の小島です。
定額減税がスタートしましたが、さっそく、顧問先からは「やり方がよくわからない。」、「5月からスタートしてしまった。」など、様々なトラブルの声が寄せられています。
一括で給付にするか、年末調整or確定申告で対応すればよかったと思うのですが、政府の方では月次にこだわっているため、色々と私の顧問先からも疑問の声やトラブルの声があがっています。
ただ、定額減税は多くの方は関係がなく、大変なのは経理担当者、給与支払担当者、会計事務所、社労士事務所かと思います。
なのですが、「調整給付金」。こちらは、労働者の方等、一般の方に関係してくることがあります。
元々所得税がそれほど高くなかったり、扶養家族の人数が多いなどが理由で、定額減税では所得税が引き切れない場合、調整給付金の申請をすると定額減税しきれない額の給付を受けることができます。
担当する部署は、各自がお住まいの自治体になり、自治体によって取扱いの仕方が異なります。
多くの自治体では、7月下旬に対象となる方に調整給付金のお知らせを発送するようですので、そちらに書かれた手続を行う必要があります。
自治体のホームページで調べると、より正確です。
例えば、私が住んでいる名古屋市では、8月から順次案内を送付するようです。
参考:https://www.city.nagoya.jp/zaisei/page/0000173496.html
混沌とする定額減税
名古屋の弁護士・税理士の小島です。
いよいよ6月支給分の給与から始まる定額減税ですが、どうも制度が混沌としてきました。
定額減税自体は、本人・控除対象配偶者・扶養親族の人数一人につき3万円の所得税と1万円の住民税を減税する制度です。
住民税は自治体が計算しますが、所得税の方は、給与計算を行う会社側で計算する必要があります。
確かに、これまでも月次の給与明細に反映させることが大原則で、修正等がある場合は年末調整で行うということになっていました。
しかし、実際の実務では、税額の計算と管理に手間暇がかかりすぎるうえに、この制度が今年しか行われないこともあり、年末調整で計算する予定だった会社や会計事務所もそれなりの数あったようです。
それが、本日(2024/05/21)午前の報道によると、給与明細に減税額や差引くことの出来る残りの残額を明記することを義務づける施行規則の改正を行ったようです。
定額減税は、6月支給の給与からなので、5月分の給与を計算する際には、この計算・表記をしなければならないため、既に準備を行っていたところもあったかと思います。
このような土壇場で制度の義務づけなどを行っているため、会社・会計事務所・社労士事務所の事務負担料は減税額では済まないほど生じているのが現状かと思われます。
正直、最初から給付にしておくべきだったのではないかと思わずにはいられないのですが、現場は今後も混乱が続くものと思われます。
確定申告は口座振替がオススメ
弁護士・税理士の小島です。
確定申告の期限から1か月ほど経ちましたが、実は、合法的にまだ納税をしなくてもよい方達がいます。
それは、確定申告の納付方法を「振替納税」にされている方です。
振替納税以外の場合は、所得税の場合は、申告期限と同じ令和6年3月15日までに納付する必要がありました。
ですが、振替納税にされている場合は、令和6年4月23日に引落しがなされます。
つまり、1か月以上、納付のタイミングを後ろ倒しにすることができます。
個人事業主の場合は、消費税も同様に後ろ倒しにすることができます。
令和5年分の消費税の納付期限は、令和6年4月1日でした。
ですが、こちらも振替納税の登録をされている方の場合は、令和6年4月30日が引き落とし日になっています。
つまり、約1か月ほど、納付のタイミングを後ろ倒しにすることができます。
口座振替以外の方法の場合、税理士から申告書をもらったり、納付金額を教えてもらったり、納付書を送ってもらうことで、ようやく納付をすることができます。
ただ、どうしても確定申告時期は件数が大量に寄せられるため、例えば納付期限の一か月前に納付書をお渡しする・・・などといった、余裕をもった処理は難しくなってしまいがちです。
口座振替の場合は、納付書の到着を待つ必要がありませんし、例えば平日15時までに銀行に駆け込む、といったことも必要なくなります。
なにより、納付を忘れることがありませんので、延滞税の心配をする必要もなくなります。
口座振替のメリットは大きいので、ぜひ登録されることをお勧めします。
6月から定額減税がスタート
税理士・弁護士の小島です。
確定申告はようやく終わりましたが、6月の定額減税制度に向けて、私自身、現在勉強しているところです。
定額減税は、令和5年12月の税制改正大綱で導入が公表され、とりあえずは令和6年分に関して実行されるようです。
なかみとしては、対象者は、毎月、(所得税3万円+住民税1万円)×対象となる本人や家族の人数分、税金が安くなるという制度です。
税金が安くなるという意味では、納税者にはありがたい制度ですが、個人事業主や法人の方では、対象者が誰かを6月までに把握し、計算し、毎月の給与計算に反映させなければならないため、事務負担が圧倒的に増えてしまい、非常に評判が悪い仕組みでもあります。
年末調整や確定申告の際に、一律に計算するということにした方が、よほど事務負担は軽減されるはずなのですが、どうも給与明細に反映させることで、サラリーマンに定額減税の恩恵を認識させたい、という意図を感じるような仕組みになっています。
事業規模の小さいところでは、ご自身で給与計算をしているとこもあるかと思いますが、そのようなところは、早めにご自身で勉強するか、給与計算ソフトを導入する、顧問税理士や社労士にお願いする等の対応を検討された方がよいかと思います。
国税庁のパンフレットやQ&Aも見ていますが、正直、非常に複雑に例外が設けられており、ちょっと顧問税理士に聞いたら教えてもらえる・・・ということでは済まないような仕組みになっています。
確定申告時期到来
税理士兼弁護士の小島です。
今年も確定申告時期が到来しました。
令和6年3月15日までが確定申告期限ですので、対象となる方は期限に遅れることなく申告と納税を行いましょう。
給与所得しかない方は、源泉徴収されていますので、確定申告の必要はありません。
年末調整で生命保険や住宅ローンの控除を受けている方も、特に確定申告の必要はありません。
ふるさと納税は、ワンストップ特例の適用対象となっている方は、やはり確定申告の必要はありません。
医療費控除を利用されたい方は、年末調整やふるさと納税のような特例措置がありませんので、確定申告を行う必要があります。
同一生計のご家族分をすべていれることができますので、ご家族全員の医療費をまとめておき、10万円を超えるような場合は、医療費控除を申請することで源泉徴収された税金が還付される可能性があります。
※その年分の総所得金額が200万円以下の場合は、医療費の合計が10万円以下の場合でも医療費控除が利用できる場合があります。
医療費は、医療機関で支払った治療費の他にも、その医療機関への交通費も入れられますので(タクシー代は原則としてNG、ガソリン代はNGです。)、それらの領収証や記録を残しておくことも有益です。
電子帳簿保存法がスタート
1月1日から、電子帳簿保存法がスタートしました。
帳簿書類や経理書類の電子化が、スキャナ保存が・・・などと騒がれていた法律ですが、大きく変わる点としては、電子で送られてくる請求書や領収書等を電子で保存する必要がある、という点です。
今ある紙の領収書や請求書をすべてスキャンしてデータで保存することまでは求められていません。
ただ、アマゾンや楽天などのWebの通販サイトで購入し、領収書が紙で送られてくることはなく、電子データでメールで送られてきたり、自らサイトにアクセスしてダウンロードするようなサイトの場合は、PDF等の電子データでの保管が義務づけられることになります。
これまでは、そういったサイトからダウンロードしたうえで印刷して保管されていた方もおられたと思いますが、1月1日以降から、印刷して保管するという方法ではNGとなりました。
実務的には、これが業務効率化に資するかというと、むしろ逆です。
すべての請求書・領収書がデータで送られてくるようであれば、この方法で構わないと思いますが、現実的には、中小企業の間では、ほとんどが紙で請求書を送ったり、FAXで送受信していたりするなどしており、紙をなくすことができていません。
弁護士も、書籍を購入した際など、紙で領収証を渡されます。
結果として、紙とデータの二重管理にならざるをえず、探す際には両方を探す必要がでてくるため、面倒になったな、というのが正直なところです。
インボイス対応は大変
10月から始まったインボイスが早くも2か月ほど経過しました。
お客様からも色々とお問い合わせを受けますが、実務上もけっこう手間暇が増えて大変です。
本則課税事業者の場合、一部の例外を除いて、どれだけ細かい領収書や請求書であったとしても、インボイス対応ができているかどうかを判別する必要があります。
また、一見、Tからはじまる登録番号が書いてあり、インボイス対応しているようにも見えるものもありますが、よくよく見てみると、税率や税額が書いていないため、インボイスの要件を充たしていなかったり、チェックする経理担当者はかなり手間暇が増えています。
インボイスが不要で帳簿への記載のみでよいとされている特例もありますが、帳簿記載要件を充たすためには、ほぼすべての仕訳の摘要欄やメモ欄にその要件を充たすための記載事項を書かなければならず、かえって手間が増えるため、インボイスを発行してもらった方が圧倒的に楽だったり、制度矛盾ではないかと思えるようなことも起きています。
弁護士業務のなかでは、お客様が一般個人の方の場合は、全く関係がありませんが、企業法務を行う上では関係してきます。
インボイスは求められたときに発行すればよい、とはされていますが、正直、対応の手間が多すぎ、ここまでの要件を定める必要があったのか・・・?と疑問に思います。
任意後見のメリット
成年後見のデメリットは、本人にかわって財産を管理する成年後見人が家庭裁判所によって勝手に選ばれてしまうという点にあります。
上申という方法で、家族の誰かや知り合いの信頼できる弁護士等に成年後見人になってもらう方法もありますが、最終決定権限は家庭裁判所にありますので、必ずしも指定した人物が成年後見人になることができるわけではありません。
また、毎月おおむね2万~5万円の成年後見報酬が本人の財産から支払われることになります(※各地域の家庭裁判所や本人の財産状況等によって額は変わります。)。
ご家族からすると、知らない人に本人の財産を管理されたうえに毎月目減りしていく感覚となってしまい、抵抗感があるのが実情です。
これに対し、任意後見人は、本人があらかじめ自由に選んでおくことができますし、報酬もあり・なし含め自由に決めることができます。
デメリットとしては、本人が元気で判断能力がある間でなければ、選ぶことができないこと。
任意後見人にも、それを監督する任意後見監督人が選ばれるということです。
ただ、任意後見監督人の報酬は、成年後見人の報酬よりも低いことが多いようですし。任意後見人にお願いする管理内容をあらかじめ自由に決めておくことができるという点は大きなメリットです。
相続対策を検討する際に見落としがちなこと
相続対策をお考えの方がよく見落としがちなポイントとして、「認知症対策」があげられます。
皆さん、亡くなった後のことはご心配されているのですが、意外に何も手立てが取れなくなってしまうのは、亡くなった場合よりも、認知症等で判断能力を失ってしまった場合です。
亡くなった場合は、相続手続に入ることができるので、紛争になるか、ならないかは別としても、いずれは決着がつきます。
ただ、判断能力を失ってはいるもののお元気、というパターンでは、相続手続は始まらないものの、金融機関が状況を把握すると、資産は凍結されて動かすことが出来なくなるという事態に直面します。
このような事態になってしまうと、家庭裁判所に成年後見人を選任するよう申し立てるしか方法がなくなってしまいます。
成年後見人は、弁護士や司法書士等の専門家が選ばれることも多いので、全く自らのあずかり知らない専門家に、家族の資産管理をお願いせざるを得なくなってしまうこともあります。
また、成年後見人はあくまでも本人の資産を守ることが目的ですので、家族の生活費を支出したりすることは基本的にはできません。
このような事態にならないようにするため、判断能力がしっかりしていてお元気なうちに、任意後見人を選んでおくことをお勧めします。
確定申告の時期が近づいて参りました
年末も近づき、確定申告の時期が近づいて参りました。
私は、税務弁護士として、税理士業務を行っておりますので、確定申告も行っています。
毎年、1月以降は超繁忙期です。
最近では、国税庁のe-Taxがだいぶ使いやすくなっておりますので、医療費控除とふるさと納税くらいで、給与所得の方は、ご自身で確定申告書を作ることもそう難しいことではありません。
会社からもらう源泉徴収票通りに入力し、後は指示されるまま入力すれば完成しますので、一度、e-Taxを触ってみられることをお勧めします。
特に、最近では生命保険料や住宅ローン控除などについても、電子化が進んでいるため、マイナポータルを活用すると年末調整や確定申告はかなり簡単にできるようになってきています。
個人的には、事業者の確定申告の場合でも、電子決済の機能がもっと進んでいけば、領収証やレシートを写メで撮影しなくても、勝手に取り込まれる機能ができ、帳簿の作成もほぼ自動化される時代が遠くないうちにくるのではないかなーと思っています。
そうなってくれると、ますます確定申告書の作成は自動化されますので、税理士の業務は、申告書の作成ではなく、コンサル等、人と人とのコミュニケーションがなければ解決できない分野に特化されていくのだろうなと感じています。
年末調整の準備
12月は年末調整の時期ですので、税理士事務所も年末調整の準備に入ります。
ちょうど、10月~11月にかけて、ご自身が加入している生命保険会社から、生命保険料控除の書類が送られてきたりするかと思いますので、紛失しないように注意が必要です。
そもそも年末調整の作業とは、会社側が社員から源泉徴収していた税額と、本来の所得税を調整する作業です。
所得税は、社会保険料や生命保険料、地震保険料を支払っていた場合、控除対象となりますので、税額が安くなります。
他にも、扶養控除の対象者がいる場合も、控除を受けられるため、税額が安くなります。
ただ、源泉徴収をする際には、このような事情をすべて考慮することができません。
そのため、源泉徴収では、源泉徴収の表に基づき、一定の税額であるとみなして徴収し、年末にこれらの控除の有無や税額を調整する作業が、年末調整です。
ただ、年末調整だけでは考慮しきれない控除もあります。
これは例えば、ふるさと納税による寄附金控除や、医療費控除やセルフメディケーション税制による控除、初年度の住宅ローン控除等です。
これらは、個別具体的な事情が多く、手続も煩雑となるため、年末調整では調整対象外になっています。
これらの控除は、確定申告をすることで受けることができますので、ご利用されたい方は、領収書をなくさないよう注意しましょう。
税理士法人心・弁護士法人心
税理士・弁護士 小島隆太郎
10月から相続教室が名古屋駅でスタート
10月から、栄・中日文化センターにて、「後悔しない相続税・遺言・贈与・信託対策」の講座を半年間開催させて頂きます。
新規で受講される方ももちろん大歓迎ですし、これまで受講された経験のある方の再受講も大歓迎です。
多くの方が、二回聞きたい、とのことでご参加されていますので、ご遠慮される必要はございません。
内容としましては、相続税対策を中心に、紛争防止や保険、不動産、将来の認知症対策までお話をさせていただきます。
税金に関する法改正はもちろん、相続に関連する法改正は頻繁に行われておりますので、その時々に応じた最新の話題も盛り込んだうえでお話をさせていただきます。
場所は、栄ではなく、名古屋駅すぐ近くの弁護士法人心のセミナールームで行わせていただきます。
土曜日の午前10時~12時で開講しておりますので、講座を聴講された後は、名古屋駅でお買物されてからお帰りになられることも可能です。
これから相続税対策をご検討される方も、親の相続対策が気になっている方も、ご遠慮なくご参加ください。
できる限り、親子や夫婦でご参加されることをオススメします。
以下のサイト又はお電話、栄の中日文化センターでお申し込みできます。
https://www.chunichi-culture.com/programs/program_196400.html
ふるさと納税のルールが10月で変更
ふるさと納税のルールが、10月に改正され、これまでよりも厳しくなるようです。
1点は、地場産品基準が変わるようで、これまで地元で加工や熟成された食品であれば、他の都道府県で生産された肉類であったとしても、返礼品として取扱うことができたようですが、今後は、原材料がその都道府県内で生産されたことも要件となるようです。
他府県から原材料を仕入れ、加工していた業者はふるさと納税の返礼品から外されてしまうことになりますので、単に、対象となる品目が少なくなることになるという以上に、それによって売上をあげていた業者にダメージがいきそうです。
もう1点は、返礼品の経費総額が寄付額の5割以下にしなければならないというルールが厳格化されるようです。
自治体によって、事務費用や寄附金受領書の発行費用等の経費を、「経費」として算入していなかった自治体があったようで、これらを厳格化するようです。
これにより、ふるさと納税の利用者は、もらえる返礼品の内容が少なくなる可能性があります。
これまで1万円でもらえていた肉や米の量が減る自治体がでてくるということです。
この点は、これまで「経費」としていた自治体としていなかった自治体で不公平があったということですので、よいのかもしれません。
ただ、ふるさと納税を利用している方は、10月までに利用されていた方が、もらえる返礼品の量が多いかもしれませんね。
「自分はいくらまでふるさと納税を利用できるか」とよく税理士にも質問がされますが、確定申告をしている方でなければ、正確に算出することができないため、即答することは難しい質問でもあります。
ふるさと納税のサイトの簡単シミュレーションなどを利用された方がよいかもしれません。
タワマン節税の終焉?
昨年の12月に発表されていた令和5年度税制改正大綱にて、マンションの評価基準の見直しが言及されていましたが、令和5年6月30日の有識者会議で、その計算方法案が公表されました。
https://www.nta.go.jp/information/release/pdf/0023006-018.pdf
細かい内容は、こちらの案に記載されています。
大まかな基準としては、相続税評価額が市場価格の6割を下回っている場合には、6割まで価格を補正するというものになります。
これまでの評価方法では、タワーマンションの高層階のように、市場価格が高額なところほど、相続税評価額との乖離が大きくなって安く評価されるということになっており、富裕層の節税対策として利用されていました。
今回の改正では、この方法に一定程度の歯止めがかかるというものになるようです。
ただ、それでも市場価格の6割ほどになるのであれば、十分節税効果としては高いのではないか・・・?と思えます。
もともと、この改正のきっかけとなった判例は、決して金額だけを見て否認していたわけではないので、安易に6割に評価しておけば大丈夫といったものではないかと思われます。
相続税対策をお考えの方は、税理士・弁護士・不動産会社・保険会社がグループ内企業に所属している税理士法人心までお気軽にお問い合わせください。
事業者の方は納特と労働保険の年度更新の手続を忘れずに
源泉所得税は、原則として、徴収した日の翌月10日が納付期限ですが、給与の支給人員が常時10人未満の場合は、年2回にまとめて納付することができるという簡易な手続があります。
これを源泉所得税の納期の特例といいます。
税務署に対して、承認申請をする必要がありますが、それを行っている場合、毎月の支払に追われることなく源泉所得税を納めることができるというメリットを受けることができます。
源泉所得税のイメージとしましては、給与の支払が一般的かと思いますが、意外なところとしましては、弁護士や税理士等の士業に対する報酬の支払いをした場合も、所得税を源泉徴収しなければならないため、このような支払をした場合も対象となります。
1月から6月までに支払った所得から源泉徴収をしている場合は、7月10日が期限となりますので、お忘れなく手続を済ませましょう。
また、こちらは社会保険労務士の業務となりますが、社会保険算定基礎届・労働保険保険料申告(年度更新)手続も同時期です。
こちらは、事業所の4、5、6月に支払われた給与の額をもとに、7月10日までに算定基礎届けを提出する手続と、雇用保険と労災保険の保険料について、7月10日までに労働保険料の申告手続を行います。
これらの手続は、いずれも7月10日が期限となりますので、ご不明な方は、税理士や社会保険労務士に速やかに相談し、手続を済ませましょう。