以前のブログで,相続に関する民法改正で「配偶者居住権」という権利が新設されることをご紹介させていただきました。
これは,報道番組でもよく焦点を当てて報道されていますので,耳にされた方も多いかもしれません。
今回は,こちらの権利の「金銭的価値」について記載します。
法制審議会の部会資料によりますと,建物の固定資産税評価額は,①長期居住権付所有権の価額と②長期居住権の価額を合算した額とされています。
そして,①長期居住権付所有権の価額とは,
固定資産税評価額×法定耐用年数ー(経過年数+存続年数)/法定耐用年数ー経過年数×ライプニッツ係数
とされているようです。
そして,②長期居住権の価額は,固定資産税評価額から①長期居住権付所有権の価額を差し引いた額とされるようです。
上述した①長期居住権付所有権の価額の計算方法は少々わかりにくいですが,ようは,配偶者が亡くなった際に,他方の配偶者が若ければ若いほど価値が高くなるし,築年数が少なければ少ないほど価値が高くなる計算のようです。
具体的な金額はケースバイケースですが,法制審議会の部会資料で例として挙げられているケースですと,「築20年の鉄筋コンクリート造で固定資産税評価額1000万円のマンションの一室を,70歳の女性配偶者が相続した場合」のケースとして,
①長期居住権付所有権の価額が,143万円
②長期居住権の価額が,857万円
として計算されています。
つまり,所有権よりも,長期居住権の方が高く評価されているようです。
この点について,弁護士・税理士の立場から非常に気になることがありますので,そちらを次回のブログで記載したいと思います。