建設業界の倒産が増加傾向

帝国データバンクの調査によると、2022年度の建設業界の倒産件数が増加傾向にあるようです。

確かに、顧問先の経営者と話していると、建設業界の動向は厳しいように感じます。

仕入高が昨年度から約10%増加していながら、売上高は変わらないことで利益率が下がってしまっていたり、人件費を追加しても良い人材が集まらず現場をまわすことができず結果として新規の工事を請けられない、コロナの際に受けた融資の返済がはじまり資金繰りが悪化しているなど、事情は様々ですが、厳しい状態が始まっていると感じています。

また、物価高による個人消費の落ち込み、ウッドショックを起因とした新築物件価格の高騰によって、新築物件が売れなくなる=建築のニーズが減少する=仕事が大手にしかまわらず中小にまわらないといった現象も起きているようです。

ここに、今年の10月からはインボイス制度の開始が入りますから、小規模事業者は消費税の納税義務も負うことになります。

これまで課税事業者ではなかった小規模事業者は、消費税分の負担が増えるわけですので、更に経営を圧迫することが考えられます。

なお、元請側は、委託先がインボイスの登録事業者とはならないことを理由に、契約を切ったり、値下げを迫るようなことは独占禁止法に抵触するとの運用がなされていますので、十分注意が必要です。

公正取引委員会も、早速、発注事業者が小規模事業者に対して消費税分を値下げするといった通告を行った企業を注意したようです。

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