被害者請求

交通事故の相手方が任意保険に加入していた場合,通常であれば,相手方の任意保険会社が病院等に直接治療費を支払ってくれます(このような対応のことを「一括対応」といいます)。
ところが,相手方(すなわち,加害者本人)に保険を使用する意思がないや,過失割合に争いがある場合などは,相手方が任意保険に加入していたとしても,任意保険会社が対応してくれない場合があります。

また,当初任意保険会社が対応してくれていたとしても,途中で,まだ体の症状が改善していないにもかかわらず,強制的に治療費等の支払いを打ち切られる場合もあります。

任意保険会社が思うように対応してくれないという場合,加害者の加入する自賠責保険に請求するという方法があります。

自賠責保険は強制加入保険であり,傷害の場合は120万円という枠内で支払いがなされまして,任意保険会社が対応しない場合に自賠責保険会社に請求すれば自賠責保険から治療費等が支払われる場合があります。

被害者側から自賠責保険に請求をすることは「被害者請求」,「16条請求」(自動車損害賠償保障法16条に定めがあるため)等と呼ばれます。

ただし,120万円の枠は,任意保険会社も使用しますので,任意保険会社が対応していた時点でこの枠が使い果たされていた場合は,被害者請求することはできません。

また,自賠責も,支払いにあたっては治療の必要性等を判断しますので,自賠責に被害者請求すれば常に認められるわけではありません。

ちなみに,自賠責保険への被害者請求手続を弁護士に依頼することも可能です。一度ご相談ください。

交通事故の治療費の被害者請求については,こちらもご覧ください。

Youtubeと著作権侵害

交通事故に遭った場合,事故直後から適切な方法で通院していなければ,様々な不都合が生じます。治療期間が不当に短くされるおそれ,適切な示談金を獲得できないおそれ等があります。

そこで,概ね次のことにご注意ください。

1 事故直後から病院へ受診し,医師へ自分の症状を正確に伝えましょう。そして,カルテにしっかりと自分の症状を記載してもらいましょう。この,事故直後からというのが大切です。これは,後々痛みが残った場合,当初から伝えていない症状については事故との因果関係がないとして,その部位についての治療費の支払いが認められなくなる可能性があります。また,このような後出しの部位については,仮に後遺障害が残ったとしても,適切な後遺障害が認定されない可能性があります。

2 医師とは,できるだけ話がしやすいような関係性を作っておきましょう。これは,後に保険会社から不当な治療の打ち切り等の打診があった場合,医師から反対の意見を述べてもらうなど,医師を味方につけていることが必要な場合が出てきます。

3 X-Pや,MRI,CTなどの撮影,各種の神経学的検査を受けましょう。これらは,ご自身の体に異常がないかを正確に検査するためには不可欠です。

4 これらに加え,通院の頻度が非常に重要となります。最後の通院から次の通院まで30日程度以上空いた場合,それ以降の治療費は事故と因果関係が不明として支払われないことが多くあります。また,後遺障害の認定の際にも,通院のペースが少ないと,後遺障害が認定されにくくなります。これらの点から,治療中は必ず間隔を空けないように通院しましょう。

弁護士法人心では,事故直後からご相談いただければ,上記のような通院方法に関するアドバイスをさせていただきます。

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いわゆる「評価損」について

依頼者様から,いわゆる「評価損」に関するご相談をよく受けます。

評価損とは,事故に遭った車両を修理しても外観や機能に欠陥を生じ,または事故歴があるために車両の商品価値が下落してしまうというような場合に認められるものです。

購入したばかりの車両なのに事故に遭った場合は,特に価値の下落が著しくなりますので,このような評価損をしっかりと請求したいところでしょう。

過去の裁判例では,購入後どれくらいの期間が経過しているか,走行距離,車種,購入時の価格,損傷の程度等を総合的に考慮して判断されています。

そして,購入後,概ね2~3年以内の車両であれば評価損が認められている裁判例が多く見られますが,中には外国車など高級車では登録後10年弱経過していても認められているものもあります。

評価損が認められる場合,具体的な金額がどの程度になるかというと,修理費用の2~3割程度というものが多いようです。

ただ,上記は裁判をした場合に認められるもので,裁判をせずに示談交渉の段階ですと,保険会社は,評価損分をなかなか支払わない傾向にあるようです。

買ったばかりの新車を破損された場合などは,価値の低下分を含めてしっかりとした補償を受けなければ納得が出来ないというお気持ちはよくわかります。

そのような場合はお力になれる場合もあるかもしれませんので,一度弁護士にご相談ください。

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追伸

一月下旬からの寒波で,路面が凍結して事故が多発しております。皆様お気を付けください。

また,インフルエンザも流行っていて,私の周りでも何人かインフルエンザにかかっております。身体にはお気を付けください。

早く春が来てほしいですね。

ベトナム弁護士との交流

先日,私が所属する愛知県弁護士会の会派の行事で,ベトナムへ行ってまいりました。
北部にあるホーチミンという都市に滞在しました。
現地の弁護士事務所を訪問し,現地の弁護士さんと交流しました。
その弁護士さんは法人の設立等を多数取り扱っておりまして,いわゆるビジネスローヤ―として活躍されている方でした。
ベトナムの弁護士さんとの会話では日本語と英語が入り混じっておりまして,英語の必要性を実感しました。
私は普段交通事故案件を取り扱っていますので,ベトナムにおける交通事故と弁護士との関わり方についても質問してみました。
アジアの国に行ったことがある方ならお分かりだと思いますが,交通量が半端ではない(特にバイク)ので,交通事故もさぞ頻繁に起きてしまうのだろうなあと思いまして。

ところが,びっくりしたのが,ベトナムでは交通事故が起こっても,その場で手持ち現金のやり取りするだけで終わることが多いのだとか,,,!
治療費等も自費負担なんだとか,,,!
もちろん,ケースにもよるでしょうが,日本のようなその後の保険会社との示談交渉,裁判というようなことが行われる場合は多くなさそうでした。

びっくりですね。

弁護士事務所での交流の後,ベトナムの弁護士さんの案内で,色々な場所に連れて行っていただきました。日本企業の進出が最近めざましく,日本企業の工場等が多数ある地区にも連れて行っていただきました。

また,ベトナムではカフェ文化が発達しており,日本ではなかなかないようなオシャレなカフェ(ガーデンのようなカフェでした)に連れて行っていただきました。

おいしい食事にも連れて行っていただきました。ベトナム料理ではフォーが有名ですが,それだけではありません。海鮮がおいしかったです。

いい旅でした。

英気を養い,また仕事を頑張ります。

修理費用が損害として認められない場合

交通事故で車両が修理不能,もしくは修理費が時価額を上回るいわゆる経済的全損の場合,修理費が損害賠償として支払われるのでしょうか?

答えは,ノーです。この場合,修理費が損害賠償として支払われることはありません。この場合,買替えを念頭に,事故直前の交換価値をもとにした車両価格が賠償されます。

もっとも,被害者が実際に買替えを行った場合は,上記の事故直前の交換価値をもとにした車両価格だけではなく,車両買替費用が賠償の対象となります。
例えば,「交通事故損害賠償額算定基準―実務運用と解説―」(通称「青い本」)によれば,買替えのために必要な登録費用,車庫証明手数料,納車費用,廃車費用のうち法定手数料及び相当額のディーラー報酬部分並びに同程度の中古車取得に要する自動車取得税,被害車の未経過期間の重量税が挙げられています。

他方,買替後の車両の自賠責保険料,自動車重量税,及び被害車両の未経過の自動車税,自賠責保険料は認められないとされています。
注意をしていただきたいのは,上記費用の設定は自動車業者によって異なる場合が多く,買替諸費用があまりに高額に上る場合には,相当額に限定される場合があります。

その他にも,車検直後の全損事故について,車検整備に支出した費用(16万7501円)はこれに見合う使用ができなかったものとして損害と認めた例(横浜地判平6.4.14)等があります。

このように,交通事故の際には,物損としては,修理費用だけではなく,車両買替費用,その他の費用が認められる場合もあります。しかし,このような買替費用まで認められるということを知らずに示談してしまう被害者が多いのが現実です。

交通事故に遭った場合には,弁護士に相談されることをお勧めいたします。

交通事故研修

弁護士法人心では,交通事故の事件処理について研鑽をつむため,定期的に事務所内で研修を行っております。

今回は高次脳機能障害が取り扱われました。

 

高次脳機能障害は,脳に損傷を負った結果,記憶力の低下,集中力の低下,社会的に問題のある行動を起こすようになるなど,様々な神経心理学的障害が生じることを指します。

 

高次脳機能障害は,未だ専門家でもその内容を解明しきれていない部分もあり,高次脳機能障害が交通事故の後遺障害として認められるようになったのも比較的最近のことです。

 

高次脳機能障害は未知の部分もあり,適切な後遺障害等級の取得は簡単なものではありません。

そこで,交通事故に遭い,高次脳機能障害が残ってしまった場合は,後遺障害獲得について実績のある弁護士に依頼されることをお勧めいたします。

衆院選

10月22日は衆院選でした。

名古屋は台風で暴風雨に見舞われ,一時は投票に行くのをあきらめかけましたが,雨風が弱まった時を見計らって行ってきました。

選挙の時に思い出すのが,弁護士になるために司法試験の勉強を始めた時のこと。

憲法を一番最初に習ったのですが,選挙権は国民に認められた基本的かつ最も重要な権利のひとつです。

それを思い出し,雨にも負けず風にも負けず,投票に行ってきました(笑)

後遺障害14級

交通事故にあい,ムチ打ちの症状が残った場合,後遺障害14級が認定されることがあります。

更に,首の痛みがMRI等の画像,あるいは医師により施された各種の神経学的テストの結果等,客観的な所見を伴うものである場合,12級が認定される場合もあります(実際には14級の方が圧倒的に多いですが)。

当法人でも,14級の後遺障害の認定を受けたが,異議申し立てにより12級に上がる可能性があるのか,というご相談を受けることがしばしばあります。

14級の認定を受けたが,妥当なのか疑問をお持ちの方は,一度当法人までご相談ください。

区役所法律相談

先日,名古屋市内の区役所の法律相談がありました。

私の担当の枠は満員になっておりまして,休む間もなく相談にあたりました。

弁護士に相談したいけれども弁護士の知り合いがいないという場合は,こういった役所の法律相談を利用して弁護士に相談するのも良いかもしれません。

後遺障害

弁護士として交通事故のご相談を受けていると,後遺障害の申請を相手方保険会社に任せていいのか(保険会社に任せることを「事前認定」といいます),弁護士に依頼をした方が良いのか(被害者側で請求することを「被害者請求」といいます)というご相談をよく受けます。

後遺障害の審査は,医師の書いた後遺障害診断書,治療中の毎月の診断書,診療報酬明細書等の書類によって審査されますので,これらの書類は,基本的には事前認定と被害者請求で内容は異ならず,いずれでも後遺障害の有無を左右しない場合はあります。

ただ,保険会社にまかせると,保険会社は被害者から見ると相手方ですから,被害者のために何としても後遺障害を獲得するという姿勢を期待することは難しいです。

これに対して,弁護士に依頼して被害者請求をする場合,後遺障害を獲得するために上記の基本的な書類の提出だけではなく,画像の添付,医師の追加の意見書の添付,追加のカルテの添付等,後遺障害を獲得するために創意工夫を凝らします。

そのため,後遺障害が獲得できるか微妙な案件では,やはり弁護士に依頼された方が可能性は高まると考えられます。

弁護士法人心では,これまで多数の後遺障害獲得の実績がございます。

交通事故に遭い,治療が終了し,後遺障害が残ってしまった方は,一度弁護士法人心にご相談ください。

 

涼しくなりました。

9月も後半で,涼しくなりましたね。

最近は寝るときもエアコンなしで寝られるようになりました。

季節の変わり目ですので,体調を崩さないように気を付けたいですね。

刑事弁護

今日は,刑事国選弁護人の割当の当番日でした。

今日は事件の割り当てがあったらどこの警察署でもすぐに駆け付けられるよう,車で事務所に来ていたのですが,割り当てはありませんでした。

少し拍子抜けしましたが,犯罪が少ないということで喜ばしいことですね。

駐車場内の事故

駐車場内の事故に遭われた方のご相談を受けることがあります。

駐車場内の事故においては,過失割合が争いになることが多くあります。

駐車場内の事故は様々な態様があり,過失割合を決めるのが困難なのです。

交通事故において過失割合を決める際,過去の裁判例の集積で作成された通称「判例タイムズ」という本があります。裁判では,この判例タイムズが過失割合を決めるのに大いに参考にされます。

この判例タイムズによると,駐車場内の事故においては通路部分走行車同士の事故の場合,過失割合は基本的に5:5,駐車スペースから退出しようとする車両と通路部分走行車との事故の場合,過失割合は基本的に7:3(駐車スペースから退出しようとする車両が7)とされています(もちろん,修正要素はいくつかあります)。

後者については,駐車スペースから退出しようとする車両は駐車スペース内で停止しているので,通路進行車よりも容易に安全を確認し,衝突を回避することができると考えられていることによります。

もっとも,駐車場内の事故は上記の2つの類型に収まらないものも多く(むしろ,収まらないもののほうが多いかもしれません),その場合は過去の裁判例を細かく当たるしかないです。

そして,被害者が自身でそれを行うのは極めて困難でしょう。

駐車場内の事故に遭われ,過失割合が争いになったら,一度弁護士にご相談いただくのがいいかと思います。

アマチュアキックボクシング③

9月3日,アマチュアキックボクシングの試合がありました。

結果は,,,ドローでした。負けではないものの,勝てなかったことが悔しかった,,,

相手選手,パンチが強かったです。

しかし,試合後,いつも厳しいコメントをいただくことが多いジムの会長(数々のチャンピオンを育て上げたキック界の名伯楽と呼ばれる人です)から,「勝ち負けはともかく内容は良かった。今までの試合で一番よかった。」と初めてお褒めの言葉をいただきました。一瞬泣きそうになりました(笑)

結果だけではなく,内容も大事ですね。

もちろん,弁護士の仕事においては,依頼者様の笑顔が見られるよう,何よりも結果を重視して,最大限の努力をいたします。

夏も終わりですね

だいぶ涼しくなってきましたね。今年の夏は本当に暑かったですね。

皆さま,何か夏らしいことはされましたか?

私は,お盆休みに日帰りで岐阜の方へ出かけました。

山中を車で走ったのですが,自然が本当にきれいで癒されました。

鮎を食べましたが,格別でした。

 

暑気払い

先日,心グループのスタッフで暑気払いがありました。

心グループは大所帯ですので,一度にスタッフ全員が集まるのはちょっと難しいです。ですので,何グループかに分かれて開催されました。

大人数のため,普段あまり接する機会のないスタッフさんや他事務所のスタッフさんともお話をすることができまして,大変楽しかったです。

弁護士法人心をはじめ心グループは,今後も依頼者様のために一丸となって業務に励みます。

人身傷害補償保険

人身傷害補償保険にはご加入でしょうか?

交通事故の被害者となってしまった場合,通常であれば加害者の加入する対人賠償責任保険により治療費の支払いがなされます。

しかし,加害者がこのような保険に入っていなかった場合,あるいは過失割合について相手方との間で争いがあって相手方保険会社が治療費の支払いをしてくれない場合,被害者自身が病院の窓口で治療費を一旦負担しなければならなくなります。

そんな時に加入していると大変助かるのが,人身傷害補償保険です。

人身傷害補償保険に加入していると,ご自身の過失を問わず(故意または重大な過失があった場合は別ですが),人身傷害補償保険から治療費の支払いをしてもらえます。

また,休業損害や慰謝料も支払ってもらえます。ただし,保険会社が定める上限があり,相手方保険会社から支払いを受けられる額よりも少ない場合が多いですが。

最近では,ほとんどの自動車保険に付されている保険商品であり,弁護士としても人身傷害補償保険へのご加入は大変お勧めです。

アマチュアキックボクシング②

先日,アマチュアキックボクシングの大会があり,出場しました。

今回の会場は屋外で,名古屋のパルコ近く,若宮公園の高架下にリングが特設されてのものでした。

天気も良く,空気も気持ちよく,快適な会場でした。まあ,当日は緊張したりしてそんなことを感じる余裕もあまりないのですが(笑)

弁護士業務は夜に依頼者様との打ち合わせが集中しますので,ジムに行く時間はどうしても遅くなります。すると,スパーリングなど,他の選手との対人練習の機会が少なくなりがちなのですが,今回はその分サンドバックで追い込みました。

今後も弁護士業務もキックボクシングも両方頑張ります!!

柏駅法律事務所オープン!

平成29年6月1日から,弁護士法人心の柏駅法律事務所がオープンいたしました(^^♪

柏駅の東口を出て徒歩2分という好アクセスの立地になります。

 

今後は,千葉県をはじめ,東京都周辺のご依頼者様からも,よりご利用していただきやすくなります。

弁護士法人心では今後もご依頼者様のお力になれるよう,努力してまいります。今後ともよろしくお願いいたします。

社内研修

先日,事務所内のコミュニケーション研修が開催されました。

コミュニケーション能力は,ご依頼者様から信頼を得るために不可欠な能力です。コミュニケーション能力がなければ,依頼を獲得することはできませんし,依頼を受けた後の業務も適切に行うことが出来ません。

ご依頼者様とのコミュニケーションがしっかりととれているかは,私が常日頃から気を付けているところでもあります。

ところで,今回の社内研修は,プロのマジシャンを招待してのコミュニケーション研修でした。

マジックを通じていかにお客様の心を掴むか,信頼を獲得できるか,楽しく勉強しました。