NASVAをご存じでしょうか?

名古屋で交通事故案件を中心に取り扱っている弁護士の青山です。

本日は、NASVAについて簡単に触れたいと思います。

NASVAは意外と知られていないのですが、知っていると交通事故被害者にとってメリットとなることがあります。

NASVA(ナスバ)とは、独立行政法人自動車事故対策機構が正式名称であり、独立行政法人自動車事故対策機構法という法律によって設置されたものです。

NASVAは、交通事故の被害者に対し、介護料の支給、重度後遺障害者の受け入れ施設の運営、育成資金の無利子貸付等の業務を行っています。

NASVAの業務のうち、交通事故に関する弁護士業務との関連が特に深いのが、介護料の支給です。

交通事故に遭い、重い後遺障害が残り、介護が必要になった場合、NSAVAから介護料として毎月一定額の支給を受けることができます。

自賠責保険における後遺障害等級第1級また第2級に認定された者であること等が支給要件となります。

労災保険や介護保険等で介護給付を受けている場合は、NASVAの介護料の支給は受けられません。

もっとも、未だ労災保険等からの介護給付を受けていない場合は、NASVAからの介護給付も受けられますので、NASVAも選択肢に入れたほうが良いかもしれません。

なぜなら、労災保険からの介護給付は、示談または判決時までに現実に支払われたか支払いが確定している額については損益相殺の対象となり、加害者側からの賠償額から控除されます。

しかし、NASVAからの介護給付はこのような損益相殺の対象とはなりませんので、賠償金から控除されることはありません。

従って、NASVAからの介護給付を選択した場合、結果として加害者から受け取れる賠償金額が多くなることもあります。

交通事故に遭い、重い障害が残ってしまった方やそのご家族の方は、将来の介護費用については一度NASVAにご相談されても良いかもしれません。