弁護士の岡原です。
先日,警察署から逃走した被疑者が約1か月半ぶりに発見され,逮捕されたというニュースがありました。
この被疑者は,弁護士が接見後,弁護士が接見後に警察官に終了した旨を告げず,そのまま帰ってしまったために接見室に被疑者が一人となり,その間に接見室の仕切りのアクリル板を押してできたすき間から逃走したとの報道もありました。
そこで,今回は接見についてお話ししたいと思います。
まず,弁護士との接見は,被疑者が希望すればいつでも可能です。
また,被疑者からの希望がなくても,弁護士から警察署に連絡して接見することもあります。
警察署に勾留されている場合,警察署内の接見室で接見することになります。
弁護士が接見する際は,接見室の内部は弁護士と被疑者のみとなり,立会人は付かないため,ここで話した内容が警察官に漏れることは原則としてありません。
(あまりに大きい声で話していると,外にいる警察官に聞こえてしまうので,漏れてしまうかもしれません。)
大抵は,接見室の入口から少し離れた所に警察官が控えているので,接見終了後はドアを開けて終了した旨を告げ,被疑者を迎えに来てもらってから帰ります。
ところが,私が以前警察署で被疑者と接見した後,接見室を出ると警察官がどこにもおらず,いくら呼んでも誰も来ないということがありました。
呼び鈴を連打しても,大声で「すみませーん!」と呼んでも何の反応もなく,このまま帰ろうかなとも思いましたが,5分ほど呼び鈴を押し続けていたところ担当の方が来てくれたので,ようやく帰ることができました。
そのため,今回のニュースを聞いた時,もしかしたらいくら呼んでも誰も来なかったのかなとも思いましたが,接見室を出てから警察署を出るまで誰にも会わなかったということはないはずですので,すれ違った警察官に一言告げればよかったのではとも思います。
何はともあれ,逮捕・勾留されてしまったときは,逃げるよりも弁護士に接見を依頼し,今後の方針を立てることをお勧めします。