自転車のベル①

弁護士の岡原です。

先日、歩道の左端を一人で歩いていたら、後ろから自転車にいきなりベルを鳴らされてびっくりしてしまいました。
右側はかなり広く空いており自転車の通行に何の問題もなさそうな状況だったため、なぜ鳴らされたのかさっぱり分からず、短気な私は心の中でムッとしてしまいました。

道路交通法54条2項によれば、自転車のベルや自動車のクラクションを鳴らすことについて、「車両等の運転者は、法令の規定により警音器を鳴らさなければならないこととされている場合を除き、警音器を鳴らしてはならない。ただし、危険を防止するためやむを得ないときは、この限りでない。」とあります。
上記の「法令の規定により警音器を鳴らさなければならないこととされている場合」とは、同条1項1号の「左右の見とおしのきかない交差点、見とおしのきかない道路のまがりかど又は見とおしのきかない上り坂の頂上で道路標識等により指定された場所を通行しようとするとき」と、同項2号の「山地部の道路その他曲折が多い道路について道路標識等により指定された区間における左右の見とおしのきかない交差点、見とおしのきかない道路のまがりかど又は見とおしのきかない上り坂の頂上を通行しようとするとき」ですので、いずれも「警笛鳴らせ」の道路標識がある場所に限られます。
では、上記に規定されたもう一つの場合である「危険を防止するためやむを得ないとき」とはどのようなときでしょうか。

少し長くなってしまったので、続きは次回へ!