愛知県弁護士会所属の中里です。
みなさんは裁判というと,テレビドラマなどの影響で,証人尋問をイメージされることが多いのではないでしょうか。
裁判にも,大きく分けて2種類あります。
刑事裁判と民事裁判です。
刑事裁判は,犯罪を犯したと疑われている人(被告人)が本当に犯罪を犯したのか,犯したとしたら刑罰はどのくらいが妥当なのかを裁判(公判期日)で決めていきます。
訴える(起訴する)人は,公益の代表者たる検察官だけです。
民事裁判は,簡単にいうと,個人間の金銭トラブルや家族間のトラブルなどを審理してくれる裁判です。
金銭がらみだと,交通事故の損害賠償請求,不貞行為の慰謝料請求(損害賠償請求事件の一種です。)などがイメージしやすいかと思います。
これらの裁判では,常に尋問が行われるかといえばそうではありません。
通常の刑事裁判の場合,被告人質問というものは必ず行われます。
こういった意味では,刑事裁判では,尋問は必ず行われるといえます。
自白事件(被告人が罪を犯したことを認めていて,あとは量刑を争うだけの事件)では,尋問は,被告人質問だけで終わることもありますし,情状証人を1~2名呼んで終わる場合がほとんどです。
否認事件の場合には,例えば,被害者の方,目撃者の方,捜査報告書を作った警察官などの尋問を行うことが多くなってきます。
他方,民事裁判の場合には,事件の性質にもよりますが,どんな事件でも必ず尋問が行われるとは限りません。
むしろ,尋問が行われずに,書面での主張,反論を繰り返して,裁判所から和解案を提示してもらって,和解で終わることの方が多いのが実情です。
当事者尋問,証人尋問までして判決をもらうことはそこまで多くありません。
私も,裁判は常に抱えていますので,尋問をする機会があります。
最近は,裁判員裁判制度が開始された影響からか,小学生,中学生,高校生などの生徒さんたちが授業の一環で裁判を傍聴していることが多いように思います。
刑事裁判でも,民事裁判でも尋問をやるときは,だいたい傍聴席が満席になっていることが多いです。
私の尋問をみて勉強になってくれていたら,裁判に少しでも興味を持ってもらえていたらうれしいかぎりです。