弁護士は、法律等の条文の文言に敏感です。
条文の文言に限らず、契約書等の文言にももちろん敏感です。
特に「超える」、「超えない」という文言には気をつけています。
例えば、
【裁判所法第33条1項1号】
訴訟の目的の価額が140万円を越えない請求(行政事件訴訟に係る請求を除く。)
は、簡易裁判所が第一審の裁判権を有するという趣旨の規定がされております。
例えば、損害賠償請求事件で140万円請求したい場合には、原則として、簡易裁判所に訴え提起することになります。
140万円を1円でも超えて請求したい場合には、地方裁判所に訴え提起することになります。
※請求額が140万円以下の不動産に関する訴訟は、地方裁判所と簡易裁判所が競合して管轄権を有します(裁判所法24条1項、33条1項1号)。
また、【刑事訴訟法37条の2第1項】では、
被疑者国選の対象事件は、「死刑又は無期若しくは長期3年を超える懲役もしくは禁錮に当たる事件」だけと規定されています。
このため、暴行罪(他に罪を犯していたり再犯でなければ、最高でも2年以下の懲役)、公務執行妨害罪(他に罪を犯していたり再犯でなければ、最高でも3年以下の懲役)などは被疑者国選の対象から外れてしまうのです。
文言一つで方針や手続き・法的効果等がいろいろ変わってくるので、我々弁護士は、条文や契約書を読む際には、常に細心の注意を払っております。