コロナ下での弁護士業務

新型コロナウイルスの影響がさまざまなところで拡がっています。
なかなか先が見通せない状況の中,健康面,経済面に対するご不安を抱えていらっしゃる方も多いかと思います。

歴史上も,人間社会は細菌やウイルスの脅威に幾度となく見舞われてきました。
社会が環境の変化に対してどのように対応できるかは,一人ひとりが環境の変化に対応できる能力にかかっていると思います。
できる限り情報の収集に努めていただき,冷静に分析をして,賢明な行動を取っていただきたいと思います。

私の勤務する名古屋地区でも,裁判所の期日が取消しになり,裁判手続きが停止してしまっています。
事件が長引けば長引くほど,依頼者様にとっては精神的な苦痛が長引くということであり,私自身も心苦しい限りです。

ただ,この状況下においても,進めることができる手続きはあります。
たとえば,裁判手続きになっている事件でも,裁判外での和解の話合いはできますし,裁判に向けての準備作業等もできます。
裁判になっていない事件についても,コロナの影響での制約はありますが,それぞれの事件で進められる手続きはあります。

争いになっている事件以外でも,法律分野でできることはあります。
前回のブログでも遺言について触れさせていただきましたが,先が見えない世の中だからこそ,万一の事態に備えて遺言を書いておかれるべきだろうと思います。
ただ遺言の中でも公証人が作成する公正証書遺言については,公証役場のなかには,現在,不要不急以外のものを公証役場で作成することを避けてほしいとしているところがあります。
公正証書遺言でのご作成を考えておられる方も,まずは自筆証書遺言をご作成しておかれて,後日,改めて公正証書遺言をご作成されるという方法もありますので,ご検討ください。

コロナの影響で,わたしたちの周囲の環境も予断を許さない状況になっています。
必要以上に悲観的になる必要はないと思いますが,私自身も,弁護士としてどのように社会に対する貢献ができるのかを考えていきたいと思います。