相続財産の国庫帰属について

ウクライナ情勢が緊迫しているようです。

他方で、コロナに関するニュースの量が少なくなっているようにも感じます。

名古屋での感染者数は、一時のようなピークを越えているようですが、依然として高い水準にあるようです。

このように考えると、コロナのニュースの中で埋もれてしまったその他のニュースも多かったのではないかと感じます。

 

先日、事務所内で、相続財産管理人による不動産の国庫帰属に関する研修をしましたので、ご紹介いたします。

 

相続人が存在しない場合等には、相続財産は国庫に帰属することになります。

この手続きは、家庭裁判所から選任された弁護士等の相続財産管理人が行います。

 

国は、従来、不動産の物納を原則として認めていなかったため、相続財産に不動産がある場合、相続財産管理人は、不動産を換価したうえ、金銭で納めることを求められてきました。

しかし、平成29年6月27日付事務連絡よって、上記のような取扱いは変更され、「相続人不存在不動産については、管理又は処分をするのに不適当であっても、引継ぎを拒否することができないので、補完を依頼する内容については必要最小限のものにとどめ、相続財産管理人の協力を求めること」とされました。

そのため、処分が困難な不動産が相続財産にある場合でも、当該不動産に適切な処置をしたうえで、国に引き継ぐことができるようになりました。

 

具体的な流れとしては、担当の財務局と事前に協議し、現地調査などを行ったうで、該当の不動産の処分に関する方針を決定し、それに従って処理がされます。

現地調査についても、必ずしも実施しなくてもよいケースもありうるとされています。

 

どのような方針で不動産の処分をすることになるのかに関して、財務局では「相続人不存在による国庫帰属の手引き(令和3年6月改訂)」という書類が作成されています。

実際にどのような方針が採用されるかについては、当該不動産の状況だけでなく、相続財産の全体の内容なども影響しますから、ケースバイケースで判断すべき事例も多いようです。

 

財務局の担当者のご厚意で、上記手引きをご提供いただきました。

私の方でも、この点の勉強も進めていきたいと思います。