相続土地国家帰属制度の利用状況について

名古屋でも、街中の街路樹に花が咲いている様子もよく見かけるようになりました。

桜の開花予想日も迫ってきており、春の訪れを感じるところです。

 

今回は、「相続土地国家帰属制度の利用状況」について、取り上げたいと思います。

 

相続によって取得した土地を国に引き取ってもらう制度である「相続土地国家帰属制度」が、令和5年4月27日から施行されています。

愛知県弁護士会と東海財務局との間で意見交換会があり、会報でその内容が報告され、その中に相続土地国家帰属制度に関する内容も含まれていました。

報告によると、令和5年8月31日時点では、全国で885件の申請がなされたとのことでした。

愛知県内では、そのうち約20件の申請がされたとのことです。

 

東海財務局管内でも、すでに数件は法務局に承認され、財産の管理が行われているようです。

相続人不存在等の場合と比べると、比較的管理しやすい物件が多い印象だということで、これは対象の不動産に制限があることが影響しているのかもしれません。

 

相続土地国家帰属制度は、制度の利用がかなり難しいのではないかという前評判もありましたが、ある程度は利用されているようですし、実績もあるようです。

私自身は、弁護士として相続土地国家帰属制度を利用したことはないですが、相続財産の中に引き継ぎたくない財産が含まれていることについての相談を受ける機会はしばしばあります。

制度の利用が必要なときに、適切にアドバイスができるように、最新の情報を含めて、情報収集を進めておきたいと思います。