2024年もあとわずかになりました。
名古屋も寒い日が続き、身体も冷えるようになってきましたので、残りの時間を有効に使えるように、体調と健康に気を付けていきたいと思います。
今回は、「相次相続控除」について、取り上げたいと思います。
相続税では、「相次相続控除」という税額の軽減が認められていますので、どのような制度かを説明します。
相続税がかかる相続が発生し、相続人が相続税を納付したとします。
その相続人が亡くなり、その相続人の相続でも相続税がかかるとすると、先に相続した財産には、2度の課税がされていることになります。
2つの相続が近接した時期に発生したとすると、同じ財産に重複して課税をすることが過重な負担であると考えることもできます。
そのため、このような場合の2度目の相続においては、相次相続控除が認められています。
ごく簡単な表現をすると、1度目に納付することになった相続税の一部を、2度目の相続の相続税から控除することを認めるという制度です。
相次相続控除を利用するには、いくつか要件や注意点があります。
一つは、被相続人の相続人であることです。
ただ、被相続人の相続人であったとしても、その相続人が相続放棄をして、それでも生命保険の保険金を受け取っていた場合には、注意が必要です。
その相続人は、「遺贈」として生命保険金を「みなし相続財産」として受け取っていても、この控除は使えないということに注意しましょう。
もう一つは、前回の相続からどの程度の期間が経過しているのかにも注意が必要です。
10年以上が経過していると、この控除は使えません。
相次相続控除が認められる額についても、1回目の相続からどれだけの期間が経過しているかによって変わります。
すなわち、10年間のうち、経過した年数を控除した残りの年数の割合だけ、控除が認められます。
経過した年数は、いわゆる少数点以下を切り下げて計算することになります。
分かりにくいので、例を使って簡潔に説明すると、1回目の相続から9年ちょっと経過してから2回目の相続が発生した場合には、1年分だけ控除が利用できることになります。
そこでは、1回目の相続で納付した相続税の10分1に相当する税額を控除しうることになります。
これ以外にも注意すべき点がありますので、この控除を利用する際にはしっかりと確認をしましょう。