「相続会議」での記事執筆について

ウクライナ情勢にも大きな動きがあったようです。

ロシア国内では、民間軍事会社による反抗行動があり、その後の展開も含めて、世界を驚かせましたが、これらの動きに対しては種々の分析がなされています。

ウクライナによる反攻が行われている中、現状、世界に対して最も影響力をもっているであろう出来事に関するニュースに注目していきたいと思います。

 

私の個人的な話ではありますが、「相続会議」というウェブサイトで記事を執筆することになりました。

 

「相続会議」は、朝日新聞社が運営しているサイトです。

円満な相続をサポートするという目的のもと、相続を得意とする弁護士、税理士、司法書士などの専門家が紹介されており、相続に関する記事も多く記載されています。

 

私は、運営側から、相続の案件を多く扱う弁護士兼税理士として、法律・税金の両面にわたって幅広い視点から記事を執筆することを期待されているようです。

この期待に応えられるよう、役立つ情報をなるべく分かりやすく伝えられるような記事を執筆していきたいと思います。

 

初回の記事では、山林の相続に関する手続きの問題や税金の問題、相続した山林の活用方法や手放す方法など、幅広い内容を執筆させていただきました。

私は、普段、名古屋周辺で実務をしていますが、山林の相続に関する悩みを抱えてらっしゃる方は多くいらっしゃいます。

このような悩みを抱えておられる方のご参考になるかと思いますので、よろしければお読みいただければ嬉しいです。

 

私が「相続会議」で執筆することになったのは、運営会社が旧勤務先であり、そこでお世話になった先輩からお声がけいただいたからです。

旧勤務先では在籍中に多くの経験をさせていただき、とても貴重な勉強をさせていただきました。

記事をご覧いただく読者の方にお役に立ちたいという気持ちもありますが、お世話になった会社に、在職中には返しきれなかったご恩を少しでもお返しできればという気持ちでもいます。

今後も、なるべく有益な記事を執筆していきたいと考えています。

 

相続土地国庫帰属制度の負担金について

今年の台風2号は、各地に大きな被害を与えたようです。

私の勤務地である名古屋ではそれほどの深刻な被害があったとは聞いていませんが、愛知県内では死者が出てしまうなどの被害があったようです。

被害に遭われた方に対しては、お見舞い申し上げます。

 

今回は、相続土地国庫帰属法の負担金について採りあげたいと思います。

 

弁護士として相続の案件を取り扱っていると、「相続財産に不要な不動産があるが、どうすればいいか」というご相談をしばしば受けます。

相続放棄をしてしまえば、そのような不動産を引き継ぐこともないのですが、そうすると、他の価値のある財産についても相続をすることができなくなってしまいます。

このように、やむを得ず相続することになってしまった不動産について、「費用を払ってでも引き取ってほしい」というニーズが相当程度あるのが実情です。

 

このような状況にあって、国は、国土の有効な利用等を目的として、相続で取得した不要な土地を国が引き取る制度を内容とする相続財産国庫帰属法を制定しました。

ただし、国も、管理が必要な土地を無償で引き取ってくれるわけではなく、引取りを申し出た者が管理費の一部として負担金を納付しなければならないとされていました。

この負担金は、「国有地の種目ごとにその管理に要する10年分の標準的な費用の額を考慮して算定した額」とされていましたが、この内容が明らかになりました。

法務省のページは、こちらです。

https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00471.html

 

これによれば、宅地や田・畑などは、原則として、面積によらず20万円とされています。

ただし、宅地でも都市計画法での市街化区域などに指定されている土地は、その面積に算定式がありますし、田や畑でも、同様の取扱いがあります。

森林には、面積に応じた算定式が定められています。

 

弁護士としての私の個人的な感覚では、想定していたよりも負担金は低くなったなという印象です。

そのため、不要な土地を相続することになってしまった相続人の方には、この制度の利用も検討してみられることもおすすめします。

ただし、この制度の対象とできる土地には厳しい要件がありますし、土地に建物が建っていると利用することもできません。

そもそも利用が可能なのかというところから確かめる必要があるでしょう。

 

ルールの種類と勉強法

今年のゴールデンウイークもあと少しになりました。

私の勤務地である名古屋の栄地区でも、街中では家族連れや若い方々の姿が多く見られます。

マスクを着用されている方はまだまだ多いですが、通行中には着用されていない方々もいらっしゃいますし、コロナの影響も収まってきたように感じます。

行動の制限がなくなってきたことはよいことだと思いますし、経済に対する悪影響が再燃しないように願っています。

 

今回は、しばらく続けていた宅建試験の話題を採りあげたいと思います。

 

宅建試験は、すべて選択肢式の問題で、記述式の問題はないようです。

そのため、基本的には、すべて知識が問われる問題だといえます。

 

問題はすべて、法律なり、政令なり、「人が決めたルール」を対象としており、自然科学の知識が問われているわけではありません。

この「人が決めたルール」の話を、今回はしようと思います。

 

この「人が決めたルール」は、2つに分類することができるようです。

一つは、決めること自体に意味があるルールです。

このことを学んだ憲法の教科書では、「右側通行と左側通行」が例として挙げられていました。

すなわち、交通の整理という目的のためには、どちらにするのかが決められていればよく、決めた理由にはそれほどの意味がないというものです。

もう一つは、決めた内容に合理的な意味があるルールです。

どういう行為が禁止されているのか、そのような行為をした場合にはどのような制裁があるのかというのは、権利の調整が必要になるため、合理的な理由があるはずです。

 

ここで、試験勉強の観点からすると、前者については単純に暗記をするしかないということになりますが、後者については、なぜそのようなルールになっているのかを理解することが可能でしょう。

そして、理解をしておいた方が、その内容が記憶に定着しやすいといえます。

 

弁護士になるための司法試験においても、同様に考えて進めていましたし、今回もこのように進めたいと考えています。

少なくとも、試験までに時間がある段階では、このように理解に関係する知識はなるべく理解をしておくように努めて、記憶の量を増やしておきたいと思います。

 

令和5年4月施行の法改正

最近は、とても暖かい日も増えてきており、名古屋でも桜が満開になっています。

ただ、先日、久しぶりに体調を崩すことがありました。

この間、十分なパフォーマンスを発揮することができず、人生の多大な時間を無駄にすることになってしまいました。

体調の管理はすべての基礎ですので、今後はこのようなことがないように用心していきたいですし、体調を崩さないように体力の増進にも努めたいと思います。

 

4月は新生活の始まる月ですが、法律の世界でも新法の施行がされることが多い月でもあります。

令和5年4月にも新法の施行がされていますので、私が普段取り扱っている分野に関連するものを紹介したいと思います。

 

民法の相隣関係に関する改正が施行されます。

「相隣関係」というのは、あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、隣接した不動産の所有者がその利用関係を調整しあう規定のことをいいます。

これに関して、現代に対応した内容の改正がされました。

 

民法に関しては、所有者が不明になっている土地の問題を解決するため、相続の制度や共有の制度、土地管理の制度などが改正されました。

 

不動産登記法の分野でも、不動産の所有者が不明な状態が続かないように改正がされています。

 

さらに相続土地国庫帰属法という新法が施行され、相続等で土地を取得した場合に、一定の条件を満たせば、国にその土地を引き継いでもらえる制度ができました。

 

これらの新制度も、利用できる局面が限られたものではあるのですが、場合によってはメリットがあることもあるでしょう。

それぞれの改正点をしっかりと踏まえておいて、必要な場面で利用できるようにしておくことが重要です。

 

試験における能力証明と成長機会について

名古屋では暖かい日が増えてきており、朝晩も含めて、コートが不要なくらいになりました。

先日、実家のある関西に行く機会もあったのですが、その際にはお昼に汗をかくくらいに暑かったです。

気温としては過ごしやすい季節になりましたが、他方で、花粉症にお悩みな方にはつらい季節でもあるようです。

季節ごとにしっかりと対策をしていきましょう。

 

今年の確定申告の時期が終わりました。

毎年、税理士としての業務が増えていく傾向にある中で、今年はかなりの業務量となりました。

それぞれの案件で検討を要すべき事項も多く、非常に勉強にもなる一方で、適正な業務処理が求められることへのプレッシャーも大きいといえます。

 

この件とも関連して、しばらく取り上げてきた宅建試験に関して考えたことがあります。

 

各人が試験を受ける際には、2種類の側面があるでしょう。

 

一つは、「試験で求められている能力をすでに持っていることを証明する」という側面です。

もう一つは、「試験勉強をするまでは持っていなかった能力だけれども、試験勉強を通じてそのような能力を手に入れることができた」という側面です。

 

「すでに知っている」という分野と、「まだ知らない」という分野と、試験を受けるうえで異なる意味があるといえそうです。

 

「前者の方が楽だしよい」という考え方もできるでしょう。

他方で、後者の方が人のモチベーションとしては上がるし、その人にとって価値があるといえそうです。

自分としては、前者については、たとえ達成したとしても、ある意味、当然のことですのであまりモチベーションにはつながらない一方で、後者は、自分の「成長を実感できる」という点でモチベーションにつながるという面があるし、価値が高く、効率的な行動なのではないかと感じます。

 

とはいえ、実際に受ける試験としては、自分が手も足も出ないような難しい問題を解いていても、自分の能力のなさを実感するだけで、モチベーションを維持するのも難しいかもしれません。

勉強を継続していくうえでは、勉強をすることでできるようになることが自分にとって楽しく、楽しいからこそ勉強が続けられるという、良い意味での循環を作り出すことが大切でしょう。

 

宅建の試験は、弁護士が備えているべき法的な知識の面と、自分がしっかりと勉強をしてこなかった不動産取引のルールなどの面の両方が対象となっており、今の自分にとって難しすぎることはありませんので、ちょうどよい試験なのかもしれません。

 

しばらく宅建の試験勉強をする時間を確保できないでいましたが、自らの成長のためにも、日常の業務とともに勉強を進めていきたいと思います。

 

宅建試験の過去問について

名古屋では寒い日が続いていますが、徐々に暖かさを感じる日も増えてきているように思います。

春が近づくにつれて、毎日の寒暖差も大きくなってきますので、みなさまにはご体調にもご留意いただいて、元気に過ごしていただきたいと思います。

 

前回は宅建試験を受験することに触れましたので、今回の記事では、私がどのように試験勉強を進めているかもお伝えしたいと思います。

 

前回は試験自体を採りあげて、試験の日や必要な受験の手続きを確認しました。

私は、次に試験の問題内容自体を確認することにしました。

 

私は、試験の合格を目標とするときには、まず過去問を確認します。

過去問は、実際に出題されたものですから、試験の資料としては最も確実なものです。

 

過去問を確認する目的は、その試験ではどのような能力が必要とされているのか、自分にその能力のうちどの部分が不足しているのかを確認することです。

何らかの目標を達成するときは、まずは現状の把握からとされていますが、このような試験勉強の進め方もその一つでしょう。

 

最新の令和4年度の過去問を確認すると、試験では全50問が出題され、合格には36問以上正解することが必要だということですので、最低でも7割以上を正答する必要があるようです。

 

実際に問題を解いてみると、序盤は宅建業に必要となりうる民法や判例の内容についての設問が続いていました。

自分の職業上、この部分の勉強はそれほど必要ではないと感じましたが、改正後の民法の内容の再確認や、現在の自分の実務ではあまり使用しない知識のおさらいをしておく必要はあると思いました。

法律についての知識のない方であれば、まずは、細かい知識にとらわれることなく、試験問題に登場する法律上の用語の意味をしっかりと確認することや、各制度がどのような内容なのかを確認されるところから始められるのがよいと思います。

 

ただ、この試験の内容の大部分は、宅地建物取引業法の内容から出題されています。

私自身も、宅建業法には日頃から携わっていませんし、これまでに試験勉強などで学んだことのない分野です。

ほとんど馴染みのない分野については、過去問を確認したからといってあまり深い理解が得られるわけではありませんから、出題内容のおおまかな把握をするだけに留めておき、テキストでの勉強をすることにしました。

 

過去問研究は重要ですが、初めからあまりこの点にこだわりすぎる必要もないと思います。

毎年、それほど出題傾向が変わらないということさえ確認できれば、出題範囲についての一定の勉強を進めるため、テキストの勉強や問題集の回答に移るのが効率的だと思います。

 

試験時期が近づいてきた時期に、過去問の利用方法については、再度、触れたいと思います。

 

令和5年の目標

令和5年になりましたので、今年の目標を考えたいと思います。

昨年は、特に税の分野で勉強を進めていこうとしていましたが、今年はどの分野での勉強に力を入れようかと考えていたところです。

 

今年は、不動産の勉強に力を入れて、宅建試験も受けようと考えました。

この試験は宅地建物取引業法に基づいて実施される試験で、合格者には宅地建物取引士となる資格が与えられます。

 

弁護士業務をする中で、日々、不動産に関する案件を扱っていますし、私自身も不動産についての知識をある程度は持ち合わせているつもりです。

ただ、今年は、せっかく勉強をするのであれば、資格が手に入るもので、業務に役立つ可能性のあるものを対象にしようと思いました。

普段の業務においても、日々、勉強や調査をする必要があるものの、資格試験などとしてしっかりと腰を据えた勉強をする場合には、自分の知識の整理にもなりますし、新たな発見や理解が得られるのではないかと楽しみにしています。

 

宅建試験は、不動産適正取引推進機構という一般社団法人が取り扱っています。

試験日は、例年、10月の第3日曜日とされていますが、正式には6月の第1金曜日に官報で発表されることになっています。

受験申込みは、インターネットによる方法と郵送による方法があり、通例、前者は7月中旬まで、後者は7月下旬までは期限だということです。

受験地は、受験者の住所地によって会場が決まっているようですので、私の場合は名古屋市内の会場になりそうです。

 

これらはコロナウイルスの影響で変更される可能性があり、イレギュラーになることもあるそうですので、まずは最新で正確な情報を収集しておきたいと思います。

 

何ごともしっかりと計画を立てることが重要だと思います。

次回は、宅建試験の試験範囲について触れようと思います。

 

相続財産清算人について

今年も師走に入りました。

ここからは私の弁護士業務も、毎年、非常に忙しい時期になります。

「年内に案件を解決しておきたい」という機運があるため、これにしっかり対応できるように私も今まで以上に集中して取り組んでいきたいと思います。

 

今回は令和5年4月1日に施行される予定の民法改正後の相続財産清算人について取り上げたいと思います。

 

相続人が存在しない場合には、相続財産は法人(「相続財産法人」と呼ばれます)とされます。

具体的には、戸籍を調べても相続人が存在しない場合とか、遺言書で相続人以外に財産が遺贈されている者も存在しない場合、相続人がいたとしても全員が相続欠格や廃除、相続放棄で相続権がなくなった場合に、相続人が存在しない(法律上の条文だと「相続人のあることが明らかでない」という文言になっています)と扱われます。

 

相続財産法人は清算の手続きをすることが必要なのですが、相続財産清算人という清算手続きを進めることができる権限のある者が選任されるまで、清算手続きは進められません。

相続財産清算人は利害関係のある者が家庭裁判所に選任を申し立てることができ、これがない限り、選任や手続きがされないのです。

 

相続財産清算人は、選任があった旨と相続人があるならば最低6か月間の期間内に権利主張をすべき旨の公告をすることになります。

この期間内に相続人が見つかった場合には、その相続人が相続の承認をすると精算手続きは終了することになります。

併せて、相続債権者や受遺者に対して請求の申出をすべき旨の公告を2か月以上の期間を定めてすることになります。

相続債権者や受遺者がこの期間内に権利主張をしなければ、権利を行使することができなくなります。

 

相続人や債権者が現れない場合には、相続財産が国庫に帰属することになる前に、特別縁故者がいないかが問題になります。

特別縁故者がいる場合には、特別縁故者が相続財産の全部または一部を取得することが認められます。

 

上記の相続財産清算人の職務は、これまでの相続財産管理人が行ってきたものですが、改正法では保存型の相続財産管理人の規定ができたため、これと区別するために相続財産清算人の呼称が用いられるようになったとされています。

 

相続に関わる分野では、法律の改正も多く、変更内容に注意していかなければなりません。

 

民事裁判書類電子提出システムmintsについて

11月に入り、今年もあと2か月になりましたね。

今年初めに立てた目標のことを思い出しつつ、今年一年で達成できたこと、十分に達成できなかったことを振り返ると、反省しなければならない点も多く感じています。

今年の残りの時間を利用して、まだ達成できていない目標の達成と、日々の目標をしっかりと見据えて、なるべく多くのことを達成できるように進めていきたいと思います。

 

今回は、民事裁判書類電子提出システムmintsについて取り上げたいと思います。

 

裁判所でもIT化にともなう環境の整備を進めています。

これまでは、裁判所に提出する主張書面や書証の写し、証拠説明書などの書面は、基本的にファックスで提出されていました。

mintsでは、これらの書類がオンラインで提出できるようになります。

これらの書類は、裁判所だけでなく、訴訟の相手方(他の当事者)にも直接送付(直送)する必要がありましたが、裁判所と当事者が事件ごとに作成されたページで共有することになるため、これも同時にされることになります。

 

ただ、これから運用されるシステムはあくまで現行の民事訴訟法をベースにしたもので、利用できる書面の範囲や利用方法に制限があります。

裁判所においても、データで提出されたものはいったん紙にプリントアウトして記録に編綴するという運用がされますし、裁判手続きのIT化はあくまで過渡期にあるといえます。

 

これが実施される時期は、裁判所によって異なります。

名古屋地方裁判所の本庁では、令和5年1月頃から運用される予定のようです。

 

以上は、先日、愛知県弁護士会向けに行われた裁判所の研修会での内容を参考にしています。

これからも、裁判手続きのIT化は一層進むことになるでしょうし、手続きにおける利便性も高まるでしょうし、報道でも問題になっている裁判の記録保管の問題も解消されることになるかもしれません。

他方で、IT化に伴うセキュリティやIT弱者への対応などのトラブルも生じるおそれがあるでしょう。

裁判所も、利用者の要望に応じて現在のツールを改修していくことになるのだと思いますし、私も、裁判手続きに関与する専門家として、しっかりと運用ができるようにしたいと思います。

不動産取引における心理的瑕疵について③

朝晩もめっきり寒くなり、すっかり秋という感じになりましたね。

私の弁護士事務所が入っている松坂屋名古屋店の本館7階のフロアでは、大北海道展が開催されています。

連日、多くのお客様が来店されていますが、商売をする側にも熱気を感じますし、非常ににぎわっています。

 

前回から引き続き、国土交通省が令和3年10月に策定した「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」について取り上げたいと思います。

 

心理的な瑕疵の内容に該当する事実の有無や内容は、売主から買主に伝える必要があります。

不動産取引に関わる宅建業者は、販売活動・媒介活動に伴う通常の情報収集を行うべき業務上の一般的な義務を負っているとされていますが、心理的な瑕疵についてはどこまでの調査をしなければならないのかが問題となります。

 

ガイドラインにおいては、宅建業者は、原則として、自ら周辺住民に対する聞き込みやインターネットを使用した調査を行う義務まではなく、売主や貸主から過去の事案についての記載を求めることによって、通常の調査義務を果たしたものとするとされました。

宅建業者には原則として調査義務までは負わないとされているものの、仮に調査をする場合においては、亡くなった方やその遺族の名誉や生活の平穏に十分に配慮して進めることが必要とされています。

 

売主や貸主から上記の確認を取る際には、宅建業者としては、記載が適切になされるように助言をすることや、事案が存在することを故意に告知しなかった場合等には民事上の責任を問われる可能性がある旨をあらかじめ伝えることが望ましいとされています。

そして、宅建業者が、事案の存在を疑うに足りる事情があると考える場合には、売主や貸主に確認することが必要であるとされました。

 

業界で使用されている告知書(物件状況等報告書)においては、すでに事案に関する記載欄がありますし、宅建業者としては、後日、トラブルとなってしまったときに備えて、しっかりとこの書類を保存しておくことが必要だといえます。

 

不動産取引における心理的瑕疵について②

暑さもかなり和らいだように思いますが、名古屋でもまだまだ暑い日も続いていますね。

季節の変わり目は体調を崩しやすくもありますし、今の季節は台風にも警戒が必要でしょうから、みなさまもくれぐれもご用心いただきたいと思います。

 

前回から引き続き、不動産取引における心理的瑕疵について取り上げたいと思います。

 

国土交通省が令和3年10月に策定した「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」では、人の死の事案について「告げなくてもよい場合」が明示されていることが特徴的です。

 

告知義務のない類型の一つ目として、「対象不動産において自然死又は日常生活の中での不慮の死が発生した場合」があげられています。

この類型は、賃貸借取引と売買取引の双方が念頭におかれています。

「自然死」とは、老衰や持病による病死などのことをいい、このような人の死亡が発生することは居住用不動産において当然に予想され、一般的な死因であることから、取引判断に重要な影響を及ぼさないと考えられています。

「日常生活の中での不慮の死」とは、たとえば、階段からの転落や入浴中の溺死、食事中の誤嚥などのことをいい、これについても自然と同様に扱ってよいだろうとされています。

ただし、上記のような死因であっても、いわゆる孤独死などによって特殊清掃などが必要になったケースについては、取引判断に重要な影響を及ぼす可能性があることから、告知義務があるものと考えられています。

 

告知義務のない類型の二つ目として、「告知義務がある場合であっても、それが判明した後に概ね3年が経過した場合」があげられています。

この類型は、賃貸借取引が対象で、売買取引は対象外です。

心理的瑕疵は、時間の経過とともに希釈され、やがて消滅するとも考えられているところではあり、では、この期間がどのくらいであるのかが問題となります。

この問題に関する過去の裁判例を参考にして、賃貸借契約においては、原則として、概ね3年が経過した場合には告知義務が消滅するとされています。

ただし、例外的に、人の死の事案の事件性や周知性、社会に与えた影響等が特に大きい事案については、上記の期間の経過では足りず、告知義務がないとはいえないとされています。

 

告知義務のない類型の三つ目として、「対象不動産の隣接住戸又は借主若しくは買主が日常生活において通常使用しない集合住宅の共用部分で生じた死の事案」があげられています。

これも、第一の類型と同じく、賃貸借取引と売買取引の双方が念頭におかれています。

対象不動産そのもので生じたものではなくても、その周辺で生じたものも心理的瑕疵になりうると考えられますが、では、どのような場合がこれにあたるかが問題となります。

「対象不動産の隣接住戸」とされているので、周囲の住居で起きた死の事案については、原則として、告知義務の対象外とされています。

「通常使用しない集合住宅の共用部分」とされているので、マンションなどの共用部分のうち、居住者が通常使用しない部分で起きた死の事案も、原則として対象外とされています。

ただし、この類型でも、第二の類型と同様、人の死の事案の事件性や周知性、社会に与えた影響等が特に大きい事案については、例外として扱われています。

 

ガイドラインでは上記のとおりとされているのですが、みなさまの感じ方はいかがでしょうか。

前回のブログでも指摘しましたが、何を心理的瑕疵と考えるかは人それぞれであるといえますので、告知義務の対象外としてよいのかは慎重に考えるべきでしょう。

とはいえ、不動産の客観的な価値を評価する場合には、「一般的な視点」というものが必要になりますし、これに対する一つの考え方が明示されていることは有意義だといえます。

これは今後の社会の状況や人々の認識によって変わり得るものであろうとも思いますが、弁護士や不動産取引に関わる者としては、このような一般的な視点を理解しておく必要があるとはいえるでしょう。

 

不動産取引における心理的瑕疵について①

連日、暑い日が続いていますね。

肌の弱い私にとっては、暑さもさることながら、日差しの強さが天敵でして、なるべく日差しを避けるように行動しています。

とはいえ、普段から名古屋市内を自転車で移動していますので、この対策をしていても相当な被害を被っています。

最近は、突然の雨にも悩まされていますし、いつも天気予報を気にしながら行動しています。

「酷暑や突然の雨も、まったく気にならない」という方はごく少数でしょうから、程度の差こそあれ、みなさまも同じようなご状況でしょうか。

 

今回からしばらく、不動産取引における心理的瑕疵について取り上げたいと思います。

 

不動産取引における「心理的瑕疵」とは、その不動産で人の死に関して発生したできごとが対象の不動産の取引においてマイナスに影響するもののことです。

たとえば、その住居で過去に殺人事件があったということであれば、そのような住居には住みたくないと考えるのが一般的ですので、そのできごとが不動産の価値を損なう方向で影響するといえます。

このような不動産の価値に関する重要な情報は、取引において、相手に予め伝えておく必要があるのです。

 

ここで問題になるのは、「どのような事項であれば、予め相手に伝えておく必要があるのだろうか」ということです。

心理的瑕疵とは、あくまで主観的なものであって、人の感じ方はさまざまであることからすると、予め伝えないといけない事項であるかどうかは判断が難しい面があります。

不動産業者(宅地建物取引業者)が仲介に入っている場合には、業者には、取引にあたって、心理的瑕疵にあたりうるものを「重要事項」として予め伝える義務があるとされていますので、業務をするうえで悩ましい面が出てくるのです。

加えて、業者としても、どのような方法で心理的瑕疵にあたりうるできごとがあったかどうかを調査しなければならないのかという問題もあります。

 

これらの問題について、国土交通省で検討会が開かれ、ガイドラインが作成されました。

これまでの実務や裁判例を踏まえて作成されたものですので、参照するに値するものだと思います。

 

ガイドラインで対象となっているのは居住用の不動産だけであったり、主には業者向けの内容であったりするのですが、相続に関わる弁護士業務をするうえでもしばしば問題になりますし、興味深い点も多くありますので、これから数回に渡ってその内容を紹介していきたいと思います。

 

相続人申告登記について

安倍元総理大臣が凶弾に倒れました。

一報を聞いたときは非常に驚きましたし、命を落とされたと聞いたときはショックでした。

その業績に対する評価はさまざまでしょうが、日本という国のことを考えて非常に尽力された方であろうと思います。

このような形で最期を迎えられたことは、関係者にとっては非常に悔しいでしょうし、何よりご本人が無念であったろうと思います。

心からご冥福をお祈りいたします。

 

今回は、相続人申告登記について取り上げたいと思います。

 

法律が改正され、相続登記が義務化されることは過去のブログでも採りあげました。

 

弁護士業務をしている中でも、「期限内に相続登記をすることが義務化される」=「期限内に遺産分割協議を成立させなければならない」と考えられている方も多いように思いますが、実は、正確には異なります。

遺産分割協議の成立による相続登記以外にも、法定相続登記による登記をすることができますし、これにより法律上の義務は果たしたことになります。

 

今回の相続登記の義務化によって、新たに「相続人申告登記」という制度が設けられることになりました。

相続人申告登記とは、相続人が、所有権の登記名義人について相続が開始した旨と自らが登記名義人の相続人である旨を申し出ることによる登記のことです。

上記の法定相続登記との違いは、登記の際に提出が必要となる書類が少なくなるということです。

法定相続登記においては、すべての相続人関係を明らかにする必要がありますから、被相続人の出生から死亡、各相続人の現在の戸籍等を提出する必要があります。

他方で、相続人申告登記では、自らが相続人であることのみを示せばよく、被相続人の死亡の記載のある戸籍と自らの戸籍(これに加えて、名古屋市等の住所を証する住所証明情報も)の提出だけで済む場合があります。

このように、相続登記が義務化されたことによって、相続人に過度の負担が生じないように簡易な制度が設けられることになったのです。

 

この登記は、「申出」とされており、「申請」とはされていません。

これは、この登記があくまで申出人からの申出によって、登記官が職権で登記をすることができるという形式が採られているためです。

登記の内容としても、権利登記への付記登記として扱われます。

 

登録免許税などの登記に必要な費用の面でも配慮がされるかもしれません。

相続登記の義務化は政策的な観点から定められたものですので、なるべく負担がないような制度としてほしいと思います。

 

特定路線価について

円安が進行しているようです。
円相場に影響を与える経済的要因としてはさまざまなものがありますが、日本と他の国家間での金融政策の違いが原因だとも分析されているようです。
すなわち、インフレを抑制しようとしている他の国の金融政策に対して、日本はインフレを許容する金融緩和を続けていることから、円の価値が相対的に下落し、円安につながっているのだと分析されています。
原料を輸入し、加工した工業製品を輸出するという経済モデルをとっていたかつての日本であれば、円安は国際競争力の強化にもつながり、歓迎すべき状況ともされたのでしょうが、現在の日本においては、このような単純な評価がされる状況にはありません。
さまざま経済人や識者が、現在の円安状況についての見解を発表していますし、私自身、それぞれの見解を興味深く読んでいますし、名古屋経済にとってどうなのかも気になるところです。
少なくとも、急激な環境の変化は生活などに与える影響も大きいでしょうから、みなさまの生活やお仕事に悪い影響がですぎることがないように願っています。

前回は、土地の路線価と固定資産評価額について取り上げましたが、今回は特定路線価についてご紹介いたします。

路線価は、相続税や贈与税において、土地の評価に使用する指標で、国税庁から毎年、発表されるものです。
路線価地域にある土地については、この路線価を基準として土地の評価額を計算していくことになります。

しかし、ありとあらゆる道路に路線価が設定されているわけではなく、評価の対象の土地に接している道路に路線価が設定されていない場合があります。
そのような場合には、税務署にその道路の路線価を設定してもらう必要があり、このようにして設定された路線価を特定路線価と呼んでいます。

特定路線価を設定してもらうためには、税務署に特定路線価設定申出書を提出する必要があります。
申出書に必要事項を記入したうえで、評価すべき土地や、特定路線価を設定する道路についての物件案内図や地形図、写真などの資料を付して、提出することになります。

国税庁のホームページでは、この手続きの処理に必要な標準処理期間は、概ね1か月程度と紹介されています。
相続税の申告期限が近い場合には、設定に要するこの期間も問題となりえますので、特定路線価の設定が必要な場合には、早めに対応しておく必要があります。

路線価と固定資産税評価額の決められ方

今年もゴールデンウイークの最終日となりました。

平日もお休みを取ることができた方は10連休、平日が暦どおりの方は3連休が2回あったようです。

コロナの影響もあったため、長期の旅行に行かれた方はあまり多くなかったかもしれません。

ただ、名古屋の栄でもさまざまなイベントは予定どおり開催されていましたし、少しずつ通常の生活が戻ってきているようにも感じます。

感染の拡大にも注意しながら、引き続き、日々の生活を過ごしていきたいと思います。

 

今回は、路線価と固定資産税評価額がどのように決められているかについてご紹介いたします。

 

路線価は、相続税や贈与税において、土地の評価に使用する指標です。

路線価は、毎年、見直しがされ、その年の1月1日時点での評価額が決められます。

具体的な数字は、国税庁や税務署が近隣の取引価格や従前の路線価などから、不動産鑑定士などの専門家の意見も聞きながら決められているとされています。

決められる時期については、毎年、7月までに決められるように運用されています。

 

固定資産評価額のうち土地については、住宅の集中している土地と、それ以外の田舎の土地で評価方法が異なります。

住宅の集中している土地は、いわゆる路線価と同じように、道路ごとに設定されている土地単価をもとにして、固定資産評価額が計算されています。

それ以外の土地については、標準宅地比準方式という方法が採用されており、対象の土地の付近にある標準宅地の土地単価をもとに計算がされています。

評価額は3年ごとに見直しがされており、基本的には3年間は同じ金額が採用されています。

固定資産評価額は、市町村で縦覧帳簿というもので閲覧することが可能になっており、4月1日から5月31日までが縦覧期間となっています。

固定資産の評価額に不満がある場合には、担当の部署に問い合わせたり、固定資産評価審査委員会へ再審査をしてもらったりすることが可能だとされています。

 

名義財産について

前回の記事では、ウクライナとコロナの問題に触れましたが、今は地震のリスクにも注目が集まっているようです。

インターネットのホームページでは、最近起きた地震の最大震度を4以上や5弱などに限って表示できるものもあります。

それを見ると、それなりの規模の地震が最近、頻発しているように思えます。

私自身はあまり地震に詳しいわけではありませんが、このような地震もプレートのひずみがたまったために生じたものである可能性を考えると、以前から危惧されていた巨大地震の予兆の可能性もあるのだろうと思います。

個々人ができる対策には限りはあるのでしょうが、非常時の食糧や水の確保など、少しでも備えをしておくかどうかで大きな違いがあるのでしょうから、日頃からできる範囲での準備はしておきたいと思います。

 

今回は、名義財産の問題についてご紹介いたします。

 

名義財産とは、名義はその人とは異なるが、その人の財産といえるものをいいます。

たとえば、預貯金口座が妻の名義となっているものの、実質は夫のものだったというようなものです。

預貯金のほかにも、不動産であったり、株式であったり、保険であったり、名義財産となる可能性のある財産といえます。

 

名義財産であるかどうかが問題となる場面として、たとえば相続税の申告の場合があります。

亡くなった方の名義ではないものの、亡くなった方の財産である場合には、相続財産に計上しなければなりませんので注意が必要です。

 

問題となることが多いのが預貯金のケースですので、預貯金を例にとって、名義財産かどうかを判定する考え方を紹介します。

 

最も重要なのは、その口座の預貯金の出捐者が誰なのかということでしょう。

口座内の預貯金が亡くなった方が出したものであれば、名義財産と考えられる余地で出てきます。

この他の要素として、その口座が、いつ、誰によって、どのような目的で開設されたものなのか、どのような目的で利用されてきたのか、通帳やキャッシュカードは誰がどのように管理していたのかなどを考慮する必要があります。

 

名義財産であることが疑われる場合には、課税庁は、上記の事情についての資料を収集することができますので、申告をする側はしっかりと検討する必要があります。

詳しくは弁護士にご相談ください。

名古屋で相続に関するご相談をお考えの方はこちら

相続財産の国庫帰属について

ウクライナ情勢が緊迫しているようです。

他方で、コロナに関するニュースの量が少なくなっているようにも感じます。

名古屋での感染者数は、一時のようなピークを越えているようですが、依然として高い水準にあるようです。

このように考えると、コロナのニュースの中で埋もれてしまったその他のニュースも多かったのではないかと感じます。

 

先日、事務所内で、相続財産管理人による不動産の国庫帰属に関する研修をしましたので、ご紹介いたします。

 

相続人が存在しない場合等には、相続財産は国庫に帰属することになります。

この手続きは、家庭裁判所から選任された弁護士等の相続財産管理人が行います。

 

国は、従来、不動産の物納を原則として認めていなかったため、相続財産に不動産がある場合、相続財産管理人は、不動産を換価したうえ、金銭で納めることを求められてきました。

しかし、平成29年6月27日付事務連絡よって、上記のような取扱いは変更され、「相続人不存在不動産については、管理又は処分をするのに不適当であっても、引継ぎを拒否することができないので、補完を依頼する内容については必要最小限のものにとどめ、相続財産管理人の協力を求めること」とされました。

そのため、処分が困難な不動産が相続財産にある場合でも、当該不動産に適切な処置をしたうえで、国に引き継ぐことができるようになりました。

 

具体的な流れとしては、担当の財務局と事前に協議し、現地調査などを行ったうで、該当の不動産の処分に関する方針を決定し、それに従って処理がされます。

現地調査についても、必ずしも実施しなくてもよいケースもありうるとされています。

 

どのような方針で不動産の処分をすることになるのかに関して、財務局では「相続人不存在による国庫帰属の手引き(令和3年6月改訂)」という書類が作成されています。

実際にどのような方針が採用されるかについては、当該不動産の状況だけでなく、相続財産の全体の内容なども影響しますから、ケースバイケースで判断すべき事例も多いようです。

 

財務局の担当者のご厚意で、上記手引きをご提供いただきました。

私の方でも、この点の勉強も進めていきたいと思います。

 

庭園の財産としての評価について

久しぶりの投稿です。

コロナの感染拡大によって、節分の行事が、名古屋でも相次いで中止や一部中止となっているようです。

行事には参加できなくとも、コロナという邪気が払われるように願っています。

私の事務所の入っている松坂屋名古屋店本館7階の催事場では、バレンタインに合わせた店舗が数多く出店しています。

さまざまなチョコレートが並んでおり、目移りするほどですが、主なお客さまは女性であるものの、チョコ好きとして便乗したいと思っています。

 

今回は、庭の財産としての評価について触れたいと思います。

 

私自身、相続についての案件を数多く手がけてきましたが、相続財産に庭が含まれており、遺産分割協議などにおいて、この評価額が争いになったというケースを経験したことがありません。

実際に、庭というのは、亡くなった方が好きで整備していただけで、(亡くなった方にとっては残念ながらかもしれませんが、)相続人は、その庭に価値を見出していないことが多いように感じます。

むしろ、立派な庭であればあるほど、その不動産を売却するために更地にする際の費用がかかってしまうという負の側面もあるように思います。

 

そのように、相続財産としてあまり価値を見出しづらい庭ではありますが、相続税の申告の際には注意が必要です。

 

相続税においては、庭は不動産の附帯設備等の一つである庭園設備として、しっかりと相続財産として扱われており、その評価方法が決まっています。

財産評価基本通達によると、庭園設備は調達価額の7割に相当する価額によって評価するとされています。

調達価額とは、「課税時期において、その財産をその財産の現況により取得する場合の価額をいう」とされていますので、現況の庭園を造成しようとすればいくらの費用がかかったかという価額を基準に、庭園設備の価値が評価されることになります。

どのようにこの価額を調べるかというと、庭園設備の取得価額であったり、造園業者の意見であったりを参考に、この価額を検討することになります。

 

実務上は、一般家庭の庭がこの課税対象となることはほとんどなく、よほど立派なものでない限り、申告の対象とはされていないようです。

では、どの程度のものであれば申告の対象とすべきかは非常に難しく、悩ましいケースもあると感じています。

 

 

 

自筆証書遺言の保管制度の利用状況について

コロナの感染者数が落ち着いてきたこともあり、私の事務所の入っている松坂屋名古屋店にも、人出が戻ってきたように感じます。

本館7階の催事場では、バウムクーヘン博覧会2021が来週8日まで開催されており、さまざまなバウムクーヘンが並んでいます。

私自身もバウムクーヘンは好物ですので、自分のお気に入りのものを探してみたいと思っています。

 

今回は、自筆証書遺言の保管制度の利用状況について触れたいと思います。

 

令和2年7月から、自筆証書遺言を法務局で保管する制度が開始されました。

国民の遺言書の作成を促進したいという政策目標を達成するために導入された制度ですが、私自身も、相続に関わる弁護士として、一般の方がどの程度利用されるのか気になっていました。

法務省から、この制度の利用状況に関する資料が公表されていますので、紹介します。

 

https://www.moj.go.jp/content/001327091.pdf

 

この資料によると、令和2年7月から令和3年3月までの9か月の保管申請数は1万6721件となっています。

日本公証人連合会が公表しているデータによると、令和元年の公正証書遺言の作成件数が11万件程度でしたので、これと比べても、相当程度の利用がなされているといえます。

公正証書遺言の作成件数はこれまで増加傾向にありましたが、令和2年は9万7700件と減っていますので、公正証書の作成の代わりに自筆証書遺言の保管制度を利用した層が一定程度あったものと分析できます。

そして、遺言書が作成された件数全体については、引き続き、増加傾向にあるのだろうとうかがわれます。

 

上記の両制度にはそれぞれメリットとデメリットがありますので、どちらの利用が望ましいのかは遺言者自身の状況によります。

どちらの形式で作成するのがよいのか悩んでおられる方がいらっしゃいましたら、ご相談をいただければと思います。

遺言に関する当法人のサイトはこちら

特別送達について

私の住む名古屋でも、新型コロナウイルスの感染者数が一時に比べると減少してきました。

これを受けて、愛知県でも18日から、飲食店への時短要請を全面的に解除することになったそうです。

なぜ感染者数がこれほどまでに減少したのかは諸説があるようで、よく分かっていないようです。

引き続き、できる範囲での感染症対策をして臨んでいきたいと思います。

 

今回は、「特別送達」について触れたいと思います。

 

特別送達とは、郵便物の特別な取扱いのことで、主に裁判所から訴訟関係者に書類が送付される場合に利用されます。

裁判所からのすべての書類が対象になるわけではなく、「送達」をしなければならない書類が対象です。

なお、特別送達をする主体は、裁判所に限られるわけではなく、公証役場や特許庁であることもあります。

 

裁判所から特別送達で届いた書類がある場合には、注意しなければなりません。

 

たとえば、特別送達で届いたものが訴状である場合、訴状に書かれたことが事実ではなく、請求には理由がないものであっても、受け取ってまったく対応をしないままにしておくと、相手の請求が認められ、重大な不利益を被るおそれがあります。

特別送達で届いた書類がある場合には、必ず弁護士に相談するなどして、ご対応ください。

 

他方、裁判所からの特別送達であると偽って、詐欺などの手段として書類が送られてくることもあるようです。

真実の特別送達による書類かどうかを見極めるためには、郵便局員から受け取ったものかどうかを確認してください。

特別送達であれば、郵便局員が、直接、受領者に受取りを求めますので、このようにして届けられたものではなく、たとえば、普通郵便で送られているものであったり、ポストにそのまま投函されたりしているものは、たとえ封筒に特別送達と書かれていても、特別送達による書類ではありません。

上で述べたように、特別送達ではない方法で裁判所から書類が送られることもありますので、裁判所からの書類が届いたら、封筒や内容物に書かれた連絡先が裁判所のものであることをホームページなどで確認したうえで、裁判所に電話で確認することが確実です。

 

「特別送達」による書類が届いた場合には、十分にお気をつけいただければと思います。