コロナの影響でテレワークが進んでいるようです。
弁護士の業界でも,以前にご紹介した民事裁判のIT化等が進んできていますが,まだまだ紙ベースでの業務が多く,印鑑文化についても当分無くならないように感じています。
とはいえ,自らの弁護士としての職印を押す際には,その文書の内容に責任を持つという独特の重みがあるように感じていますし,これがデータのみでやりとりされるようになった場合には,便利にはなるものの,自らの創作物に対する責任をどのような形で確認しようかと考えています。
さて,今回は,いよいよ7月10日から始まる法務局による自筆証書遺言の保管制度について取り上げたいと思います。
法律の内容自体は,以前から決まっていたのですが,すでに細かな運用まで決まっています。
まず,予め作成していた遺言書の保管の申請は,管轄の法務局に対してする必要があります。
管轄は,遺言者の住所地,本籍地,所有する不動産の所在地のいずれかを管轄する遺言書保管所となります。
たとえば,名古屋市であれば名古屋法務局の本局が管轄となります。
それぞれの市町村の管轄については,法務省のホームページで確認することができます。
また,保管の申請等を行う際には,予め予約を取っておく必要があります。
予約は,予約専用のホームページがあるほか,電話で取ることもできるようです。
制度開始に先駆けて,予約については7月1日からできるようになるそうです。
必要な費用も決まりました。
たとえば,遺言書の保管の申請であれば,一件について3900円,遺言書情報証明書の交付請求であれば,一通について1400円となっています。
自筆証書遺言を作成する場合に,このような選択肢が広がったことは望ましいことだと思います。
公正証書遺言にするかどうかは,それぞれにメリットとデメリットがありますので,お気軽にご相談いただきたいと思います。
なお,弁護士法人心に新たに四日市法律事務所が開設されました。
よりお客様にご利用していただきやすくなると思いますので,お気軽にご相談等にご利用ください。