11月に入り、今年もあと2か月になりましたね。
今年初めに立てた目標のことを思い出しつつ、今年一年で達成できたこと、十分に達成できなかったことを振り返ると、反省しなければならない点も多く感じています。
今年の残りの時間を利用して、まだ達成できていない目標の達成と、日々の目標をしっかりと見据えて、なるべく多くのことを達成できるように進めていきたいと思います。
今回は、民事裁判書類電子提出システムmintsについて取り上げたいと思います。
裁判所でもIT化にともなう環境の整備を進めています。
これまでは、裁判所に提出する主張書面や書証の写し、証拠説明書などの書面は、基本的にファックスで提出されていました。
mintsでは、これらの書類がオンラインで提出できるようになります。
これらの書類は、裁判所だけでなく、訴訟の相手方(他の当事者)にも直接送付(直送)する必要がありましたが、裁判所と当事者が事件ごとに作成されたページで共有することになるため、これも同時にされることになります。
ただ、これから運用されるシステムはあくまで現行の民事訴訟法をベースにしたもので、利用できる書面の範囲や利用方法に制限があります。
裁判所においても、データで提出されたものはいったん紙にプリントアウトして記録に編綴するという運用がされますし、裁判手続きのIT化はあくまで過渡期にあるといえます。
これが実施される時期は、裁判所によって異なります。
名古屋地方裁判所の本庁では、令和5年1月頃から運用される予定のようです。
以上は、先日、愛知県弁護士会向けに行われた裁判所の研修会での内容を参考にしています。
これからも、裁判手続きのIT化は一層進むことになるでしょうし、手続きにおける利便性も高まるでしょうし、報道でも問題になっている裁判の記録保管の問題も解消されることになるかもしれません。
他方で、IT化に伴うセキュリティやIT弱者への対応などのトラブルも生じるおそれがあるでしょう。
裁判所も、利用者の要望に応じて現在のツールを改修していくことになるのだと思いますし、私も、裁判手続きに関与する専門家として、しっかりと運用ができるようにしたいと思います。