1 同時廃止における免責審尋
名古屋地方裁判所ではこれまで、同時廃止決定が下された場合の免責審尋については、原則として破産者が裁判所に出頭することが求められていました。
通常は、30人程度の破産者が一つの部屋に集められ、裁判官からの質問に回答する形で審尋が行われていました。
裁判官によって、個別の破産者を指名したり、選択肢を提示して適切だと思う選択肢に挙手させたりする等の回答方法の違いは認められますが、質問内容は免責不許可事由の具体例や非免責債権の具体例は何か等、大方共通しています。
2 コロナ下での免責審尋
しかし、昨年から新型コロナ感染症の影響で、破産者を一つの部屋に集めて審尋することはせず、「免責についての申述書」という書面を提出させることによって書面による審尋を行う運用となっているようです。
破産手続の開始が決定してから1か月程度経過した時点での事情を踏まえて、主に破産の原因や今思っていること、今後同じことを繰り返さないために考えたり実行したりしていることを自筆で記入することが求められています。
新型コロナ感染症の終息が見えない現状においては、このような書面による審尋もしばらく続くと考えられます。