破産手続中に新たな債権者が判明した場合

1 新たな債権者の発覚

破産の申立て時には、全ての債権者を記載した債権者一覧表を裁判所に提出します。

ですので、破産の申立て前までには全ての債権者を把握する必要がありますが、申立て前には破産者の記憶をたどったり、自宅に届いている請求書を調べたり、信用情報機関へ問い合わせたりしても判明しなかった債権者について、申立後に発覚することもあります。

新たな債権者が発覚した場合は、早急に依頼している弁護士にその旨を伝えて、債権者一覧表を訂正してもらわなければなりません。

2 非免責債権

なぜなら、法律上、破産者が知りながら債権者名簿に記載しなかった債権は非免責債権となり、破産しても後日その債権者から請求されるおそれがあるからです(破産法253条1項6号)。

「破産者が知りながら」とは、破産者が債権者の存在を認識しながらあえて弁護士に伝えなかった場合だけでなく、破産者が過失によって記載しなかった場合も含むと考えられていることに注意が必要です。

少なくとも破産手続中に請求書が送付される等して新たな債権者が判明したにもかかわらず、当該債権者の追加を裁判所に伝えなかった場合には、過失が認められる可能性が高いと考えられます。