書面による免責審尋

1 新型コロナ感染症の流行前における同時廃止における免責審尋

新型コロナ感染症が流行する令和2年よりも以前、名古屋地方裁判所での自己破産の同時廃止における免責審尋は、通常、破産者が裁判所に出頭し、直接裁判官から質問を受ける形で行われていました。

この場合、一つの部屋で数十人が同時に免責審尋期日を迎えていました。

2 新型コロナ感染症の流行後での同時廃止における免責審尋

新型コロナ感染症の流行後は、感染防止の観点から、破産者が裁判所に出頭することは求められなくなり、その代わりに「免責についての申述書」という書面を提出させる運用となりました。

日本で新型コロナ感染症が流行して丸4年が経ちましたが、この運用は続いています。

「免責についての申述書」では、以下の事項の記載が求められています。

⑴ 破産手続開始決定を受けるに至った事情、本人の本籍、住所、身分関係、家族、勤務先について、申立ての際に提出した書類に記載したとおりか。

⑵ 上記⑴に訂正、変更又は付け加える点があれば、その内容。

⑶ 破産手続開始決定を受けてから、債権者に対する返済や新たな借入れなどしたことがあるか。

⑷ 上記⑶で「ある」場合には、その時期、債権者名、使途など。

⑸ 免責申立てに関して、真実かつ正確で、漏れなく記載した債権者名簿を提出したか。

⑹ 再び破産の申立てをすることがないように、申立人が考えていること、実行していること。