1 再生計画に従った返済ができないとき
個人再生手続きにおいて再生計画の認可決定が確定した後,再生計画どおりに支払えなくなった場合には,どう対処すればよいでしょうか。
自己破産するというのも選択肢の一つですが,自己破産しなくてもよい場合もあります。
2 再生計画の変更
個人再生においては,再生計画認可の決定があった後やむを得ない事由で再生計画を遂行することが著しく困難となったときは,再生計画で定められた債務の期限を延長することができます。
この場合,変更後の債務の最終の期限は,再生計画で定められた債務の最終の期限から2年を超えない範囲で定める必要があります。
3 ハードシップ免責
再生計画を遂行することが極めて困難である場合は,次の条件のもとで,裁判所は免責の決定をすることができ,これによって債務者は債務を支払う義務を免れます。
⑴ 再生計画を遂行することが極めて困難となったのは,債務者の責めに帰することができない事由によること
⑵ 再生計画で定められた債務の4分の3以上の額の返済を終えていること
⑶ 再生計画の認可決定時に破産した場合の配当総額以上の返済をし終えていること
⑷ 再生計画の変更をすることが極めて困難であること
4 新たな個人再生手続きの申立て
基本的には,再度の個人再生手続きの利用が法律上妨げられているわけではないため,新たに個人再生手続きの申立てをすることも考えられます。
ただし,給与所得者等再生では,1回目の給与所得者等再生の返済計画の認可決定が確定した日から7年間は手続きを利用することはできません。
また,2回目の個人再生であるという点が,債権者の同意の有無に影響を及ぼす可能性もあります。
5 自己破産手続きへの移行
以上の方法をとることができないときは,自己破産手続への移行を検討すべきです。
6 弁護士への相談
いずれの方法をとるにせよ,お早めに弁護士に相談することをお勧めします。