弁護士の松山です。
1 老齢年金について
個人再生の手続のうち、利用者が多い小規模個人再生を例に説明します。
小規模個人再生では、手続を開始させるために「将来において継続的に又は反復して収入を得る見込み」(民事再生法221条1項)が必要です。
これに該当する限り、年金を受給している方も個人再生を利用することが可能です。
老齢年金なら、基本的に年金額が減ることはないので、返済額さえ確保できれば個人再生の利用に問題はありません。
2 障害年金について
それでは、障害年金を受給している方が個人再生をすることができるのでしょうか。
障害年金の場合は特別な考慮が必要となります。
すなわち、障害年金のうち一部は、一度認定されても一定年数毎の申請が必要となるので、一度障害を認定されて障害年金を受給したとしても、それが生涯継続するとは限りません。
そのため、障害年金を受給していることから当然に「将来において継続的に又は反復して収入を得る見込み」があるとは判断できず、これまでの障害年金を受給してきた実績や現在の障害の状態,通院歴等から再生計画の終了時に支給停止となる見込みが小さいと判断されたとき、「将来において継続的に又は反復して収入を得る見込み」があるとは判断されて個人再生が利用できることになります。
実際、支給停止となる見込みが小さいと弁護士が説明することで,障害年金を受給している方が個人再生を利用できるようになった経験があります。